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『ジャッキー・コーガン』とジャニー喜多川

ジャニー喜多川のやってきたことは本当におぞましい。報告書の淡々とした書き振りが、どんな表現よりも恐ろしかった。

一応、参考までに報告書のURLを貼っておく。長いので未読で結構。

https://www.asahicom.jp/pdf/hokokusho_20230829.pdf

これを読んでアンドリュー・ドミニク監督、ブラッド・ピット主演の『ジャッキー・コーガン(原題 Killing Them Softly )』を思い出した。あらすじを書くのが面倒なので興味があったらトレーラーをどうぞ。


ブラッド・ピットがラストを締めくくるセリフ「アメリカは国家じゃない、ビジネスだ。とっとと金を払え(America's not a country, it's just a business. Now fucking pay me.)」。
このセリフは1925年、米国大統領カルビン・クーリッジが宣言した「アメリカの本分はビジネスである」が元ネタとなっている。
結論を言うと『ジャッキー・コーガン』は公開当時のアメリカを表現した映画だ。寓話と言っても差し支えない。

これをジャニーズ事務所に置き換えてみよう。「ジャニーズとは会社ではない、性奴隷(少年のみ)を生み出すシステムだ。ケツ出せ」だったんだ。とんでもないシステムだ。
それでもなお「ジャニー」を冠した会社を存続させ、メディア各社が利益を与え続けているというシステムは続く。
形だけでも全タレント移籍、あるいは会社名を変えて解体的出直しをする、という姿勢すら見せなかった。地獄絵図、いや地獄そのもの。
今まですべて知っていたメディアは、さも初めて聞きましたと言わんばかりの態度。

知り合いのテレビマンから色々と聞いているけれど、あまりにもおぞましいのでここでは伏せておく。
日本芸能界の闇はジャニーズ性加害問題だけではない。ということは、付け加えておこう。

ついでに言うと、ブラッド・ピットはグウィネス・パルトローに性的なちょっかいを出そうとするハーヴェイ・ワインスタインに警告したという男前。
他の人が見て見ぬ振りをする中で。
ジャニーズにもいたんだ、北公次とか何やかんや告発した人たちが。でもメディアは黙殺。なるほど、ジャニーズ性加害問題は今の日本を体現している問題なのかもしれない。寓話ではなく実話で。

それにしたって会見に参加した記者たちは今まで何をしていたんだろうか。どの口で質問し、責め、今後のあり方を問えるのか。何もかも知っていたくせに。後生だからマスゴミなどという月並みな罵詈雑言を使わせないで欲しい。

※ジャッキー睾丸というギャグを書かなかったのはつまらないこともあるが、性的な事件を扱っているため。