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『イコライザー』=『バレリーナ』≒『ジョン・ウィック』≒『ザ・キラー』からの『マッシュル』

ほぼプロットが同じだと思う映画、それが『イコライザー』=『バレリーナ』≒『ジョン・ウィック』≒『ザ・キラー』です。
プロットと言うかディテールまで似ている。それが『イコライザー』=『バレリーナ』≒『ジョン・ウィック』≒『ザ・キラー』じゃないでしょうか?

あらすじを書こうと思ったんですが、はしょります。ごめんなさい。

では、あらすじを書かないまま内容に踏み込んでみましょう。
第一作目の『イコライザー』と『ジョン・ウィック』の敵はロシアンマフィアですね。『バレリーナ』の場合は韓国ヤクザ、『ザ・キラー』の場合はマフィアに通じている大金持ちです。
『イコライザー』と『バレリーナ』に出て来る主人公の怒りの源泉は友達が買春させられていることですね。『ジョン・ウィック』の怒りの源泉は妻が死んで唯一の拠り所となっていた飼い犬が殺されたことです。『ザ・キラー』は妻が襲われたことです。

そして『バレリーナ』には『イコライザー』オマージュがあります。砕けたガラスの上で格闘するシーンです。

で、この四作品の共通点は、ほぼ主人公自身に危機的状況が訪れないことです。危機的状況はたいてい人質を取られることです。私なら完全に「人質? 知らんがな」状態の、たぶんLINE交換すらしてない程度の友人です。腹を割って話すような仲ではない顔見知りです。絶対に助けません。
『ザ・キラー』にいたっては人質すらありません。ただ追いかけて殺して殺して殺しまくる。しかもモノローグ進行。まるでオーディオドラマです。映像化する必要あったのでしょうか?
彼ら彼女らは絶対に勝ちます。常に理解ある仲間に囲まれ、ときに理解ある仲間となり、勝ちます。
敵の圧倒的強さ、残忍さ、卑劣さは描かれますが、そんなおっかない敵を結構あっさり倒します。
小ボス、中ボス、ラスボス、サクッと倒します。

銃で撃たれますが自分で治療できます。私はこの事故治癒を「ランボー仕草」と呼んでいます。うそです、今初めて呼びました。

こういう極めて危機的状況の少ない最強系映画はスティーブンセガール主演の『沈黙の戦艦』でホップして、『96時間』でステップして、『イコライザー』と『ジョン・ウィック』でジャンプしたんじゃないでしょうか?

そして我らが週刊少年ジャンプ、もとい週刊【少女】ジャンプで連載中の『マッシュル』がこれらの映画をパロってます。
この手の映画はもう、パロディにされるコメディなのですね。なんてったって『マッシュル』は同期アニメの『葬送のフリーレン』をパロっているんですから。ついでにジャンプ三原則の「友情・努力・勝利」もバカにしてますよね。

で、おそらくこれからは危機的状況を描く必要はなくて、新しい作劇方法に突入していのではないか? という仮説を立てました。
もうゼット世代、その次のアルファ世代は読んでられないんです、見てられないんです。危機的状況のある作品なんて。
危機は雰囲気でいいんです。手カセ足カセは人質でいいんです。発端は犬がいじめられたでいいんです。それで2時間1900円取れるんです。それが今の映画なんです。

そんな状況を心の底から笑い飛ばしている『マッシュル』を私は評価せざるを得ません。ああ、そう言えば『ガンパウンダーミルクシェイク』なんて映画もありましたっけ。