繋がれない二人

ど!どど!ど!どエロい夢を見た。前もって言っておくと、俺は日頃から睡眠が浅く毎晩欠かさず夢を見る体質なのだ。人にこの事を話すと「なにそれ楽しそう!」みたいなボケナスな返しをしてくるが、俺はこの夢のせいで目が覚めてからもどうも睡眠を取った気がしない。悪夢であったり、単調で退屈な夢もざらにある。俺にとって大概は迷惑なものだ。
しかしそんな中、稀に神様からサプライズプレゼントを貰える事がある。それがエロい夢。お金も払わずえっちな擬似体験ができるご褒美イベントだ。
俺はエロい夢を見る為に眠っていると言っても過言ではないし、眠る為に日々労働して身体を疲れさせていると言っても過言ではない。そのサイクルの上に俺の生活が成り立っているのだから俺はエロい夢の為に生きていると言っても過言ではないのだ。

けれど、ここからが厄介な話で、俺は夢の中の性体験で最後まで出来た試しがない。絶対途中で邪魔が入るなり目が覚めるなり、一つにはなれない。きっと俺の潜在意識がストップをかけているのだ。それはおそらく最後までしてしまうと夢性という事態に陥るからではないかと考えている。
少し話が脇道に逸れるが俺の友人にはクソを漏らす奴が多い。男は女より腸が短く漏らしやすいのだそうだ。しかし俺は物心ついた頃から所謂“おもらし”をした事がない。それは俺が人一倍周りの目を気にして自分を抑えようとする子供だったからだと思う。自制心が過剰に働き、絶対に自分の意思に反して何かを放出する事がないのだ。

よって俺は夢性もした事がない。きっとこの自制心のせいで俺は夢で出会ってきたあの子やあの子やあの子やあの子やあの子やあの子やあの子達と性交渉出来ずに悔しい気持ちで目覚めてきたのだ。
ふざけるな!俺の自制心!ちょっと意図せず出ちゃったからなんだと言うんだ。パンツを洗えば済むだけの事じゃないか!何をそこまで止める理由がある!なんなら俺はクソ漏らしになっても構わない!俺の夢に訪れてくれたあの美少女達と愛を交わし合えたのならば!

改めて、俺が何故ここまで荒ぶっているかを話そう。これは今日俺が見た夢の話だ。
某アイドルグループの人気メンバーが俺の夢に出て来たのだ。彼女と俺はラブホテルに入り、多少のいちゃつきの末、さあ交わろうかとしたその時「ここ、ゴム置いてない!ラブホなのに、できない!」という理解不能の天変地異が起きたのだ。
結局俺は弾丸満タンの銃を持て余したまま朝日を見たのである。起きてから暫くは「あ゛〜!なんだよ夢かよ!ふざけんなよ!なんでゴムねえんだよ!ラブホ失格だろ!ラブホを名乗る資格がないわ!もう二度と行かねえよ!いや夢だから別に行ってもねえのか!ああー!!斎藤飛鳥可愛かったあ!!!」と叫びながら大号泣していた。
けれど少しして「いや…でも…乃木坂のセンターとそんな状況になってても生でしよって言わない俺紳士過ぎるな」と自分を少し好きになったりもした。

しかし俺は神に問いたい。何故俺にこんな夢を見せるのか。さらに俺は俺に問いたい。何故神に貰いしその褒美を最後まで味あわず無碍にするのか。
紳士であれという事か。
だとするならばこの試練は余りにも辛く厳しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?