見出し画像

ARCH ENEMY 『War Eternal』 (2014)

WAR ETERNAL


もはや一つのジャンルを築きあげた感があるスウェーデンはハルムスタッドから生まれたメロディックデスメタルバンドArch Enemyの9th Album。

前作リリース後、テクギター担当だった弟くんChristopher Amott(Gt)が脱退し、新たにARSISのNick Cordle(Gt)が加入。更にAngela Gossow(Vo)がフロントから引退し、ツアーサポートに回るニュースが発表されたときは、「あ。終わったわこのバンド」と正直思い深く深く落ち込みました。

しかし今作一曲目の「Never Forgive, Never Forget」を聞いた瞬間、そんな懸念は一瞬で吹き飛び、気づいたら両手の拳を強く握りしめてガッツポーズをしている自分がいました。

Arch Enemy復活です。大復活です。

—————-
Alissa White-Gluz − death growl,vocals
Michael Amott − guitars
Nick Cordle − guitars,keyboards
Sharlee D'Angelo − bass
Daniel Erlandsson − drums,keyboards
Jeff Loomis - lead Guitar On stolen Life
—————

■Tempore Nihil Sanat(Prelude in F minor) 
オープニングの不穏なインストルメンタル。
AngelaとChrisが居なくて大丈夫か…?もうあのケミストリーは2度と聞けないのか…
色々と不安な気持ちにさせる幕開け。

■Never Forgive, Never Forget
静寂をつんざくようなDanielのブラストビートからいきなり最高速で繰り広げられる暴虐美旋律の宴。
新加入のAlisaのグロウルもこの荒波にしっかりと乗っており、気づけば頭の隅に数分前まであった不安はすでに雲散霧消していた。
そして渾身のガッツポーズとともに頭を振る自分がいた。

■War Eternal

アルバムタイトルを冠したのミドルテンポナンバー。
冒頭から自然に頭が揺れ出すザクザク系のリフに導かれ、新生Arch Enemyを高らかに宣言するかのようなMichaelのギターワークとAlissaのグロウルが織りなす奥行きのあるサウンドです。ライブでも定番の曲。
中間のギターソロ部ではMichael Schenkerが突如Michael Amottに乗り移る。


■As The Pages Burn

ディストーションの聞いたギターを掻き鳴らし、軽快なリズムで走る疾走系メタルかと思いきや、コーラスでブレイクダウンし「As The Pages Burrrrn!!!」で天にも届く咆哮を聴かせるAlissa。
Angelaの後任は私だ!みんな私を見ろ!と言わんばかりの存在感。

■No More Regrets
軽快なランフレーズから始まる疾走系ナンバー。
筆者、Arch EnemyのアルバムにMichaelのシュレッドギターが最低一個は入ってないと発狂する病気にかかってしまっていので、ここでこの曲はありがたい笑


■You Will Know My Name
不穏なメロディから一転、ギターが歌う歌う。歌いまくりすぎる。
メタル版の「みんなのうた」があったら絶対OnAirされてるはず。
自分でも何言ってるか分からないが、それだけ曲全体を通してギターがシンガロングし続けてることが伝わればこれ幸い。

■Graveyard Of Dreams

次曲に繋げる美麗なギターインスト曲

■Stolen Life

コンパクトかつキャッチーなメロディをふんだんに散りばめているため聴きやすく、しかししっかりとメタルを聴いた感は残る良質な一曲。
マイケルお得意の「メインメロディを繰り返しつつ変化していく」テクニックが炸裂している。曲作りのうまさを改めて感じる。

■Time Is Black
アルバム一、シンフォニックメタル感が強い曲。
途中で強烈にブレイクダウンをしたかと思いきや、伸びやかなギターとストリングスが絡み合いながら浮遊する。

■On And On

かき鳴らし系のギターリフから始まる。
初期のArchEnemyの匂いを漂わせながらもしっかりとサウンドはモダナイズされている。途中のピロピロ系ソロはNemesisあたりを思い出させる。

■Avalanche
ネオクラ風味漂うミドルテンポの荘厳なナンバー。
ギターソロはNickが弾いてるのか、今までのクリストファーパートのようなテクいクラシカルなフレーズが踊る。

■Down To Nothing

ヘヴィで挑発的なリフがリードする激烈デスメタル。ただ途中でリズムチェンジが起きたり、テクいソロが入ったり、ヘヴィ一辺倒で押し通すバンドとはまた一線を画す。
締めも流石の一言。

■Not Long For This World 
マイケルの賢者タイムです。

総合満足度  93点(永遠にウォー!って叫んでしまうレベル)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?