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Amon Amarth『Berserker』(2017)

スウェーデン ストックホルム出身人気メロディックヴァイキングメタルバンドのAmon Amarth の11枚目のアルバム、その名も『Berserker

BERSERKER



え、もうそんな出してるの?と思ったが、実はこのバンド1988年から活動しており、前身のバンドSCUMでデビューし、1992年に名前をAmon Amarth に変えた後、1998年にMetallicaやSlayer、As I lay Daying、Unearthなど錚々たるバンドを世に送り出してきた名門METAL BLADE RECORDS に移籍してから一気に世界的に認知が広まる。
日本では2010年にLoudParkで初来日を果たしてから一般的な注目を浴びるようになった。

前前作『Deceiver Of The Gods』や前作『Jomsviking』では北欧バイキングメタルの雄々しいサウンドに軸足を置きながらも、どこかアメリカナイズされたサウンドになっていたが、その作風が今作でも踏襲。
ちなみにこれ以降のアルバムは、完全にモダン化したアメリカンサウンドになってしまうので、北欧特有のクサみを味わうならこれが最後のアルバム。

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Johan Hegg-Vo

Olavi Mikkonen-Gt
Johan Söderberg-Gt
Ted Lundström-Ba
Jocke Wallgren-Dr
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■Fafner's Gold
アコースティックで物悲しく響もす主旋律が、次の瞬間にはディストーション&トレモロがまぶされて勇壮なリフに大変化している。
きっと全世界臭メロ愛好家達は口を揃えてこう言うでしょう。

「こういうので良いんだよ!」

■Crack the Sky
デス要素が強めの極太重厚チューン。
ギターが芯の太い印象的なメロディを伴奏しながら、ソロに入ると北欧の臭みを一気に出してきてもう感涙が頬をつたう直前です。


■Mjölner, Hammer of Thor
全世界の旧アモアマファンをお待たせしすぎていた展開。
ロックマンのBGMにもありそうなわかりやすくて、勇壮で、大仰で叙情溢れるツインギターサウンドこそ大正義。
Johanの歌声も心なしかテンション上がって弾んでいるように聞こえる。
やっぱりAmon Amarthはこれでなくては。


■Shield Wall
トレモロリフが豪壮な存在感を放つヴァイキングメタル。
ヴァースを支えるバッキングギターは余計な事はせず、ひたすらタイトで緊張感あるモダンなサウンドをかき鳴らしている。

■Valkyria
Johanの太いグロウルに混じるギターの血潮沸る轟音と骨を揺るがす美旋律の味わいに五感が興奮する。
勇壮すぎる…勇壮が過ぎるッ…!
最後のピアノも悲哀が過ぎるッ…

■Raven's Flight
リフの1音目から名曲の予感。
次から次へと荒っぽく、しかし煌びやかに紡ぎ出されるザ•北欧サウンドは、いつ聞いても一撃悶絶死を可能にする程、殺傷力十分。
メロスピバンドでも中々出せない美麗なユニゾンギターソロの旋律も素敵だし、なんならAmon Amartさんはメロスピバンドに転職したのか疑いたくなるレベル。(それはそれで大歓迎だが)


■Ironside
冒頭のクリーンギターでメインテーマが静かに提示された刹那、強烈な爆速ツーバスに乗せて、豪奢なトレモロリフと野獣のような咆哮が吐き出される。
ただよう荒涼感を遠くで感じながらも、圧倒的な音圧が強烈に迫ってくるためやっぱりヘドバンが止まらない。
そして中間部の語りパート、Rammsteinのtilのようなアダルティーな雰囲気は変な汗がでる。


■The Berserker at Stamford Bridge
スローテンポでモダンな音作りを目指した事が分かる曲。
クオリティは高いのだが、、Amon Amarthがやらなくても…というのはよぎってしまう。

■When Once Again We Can Set Our Sails
軽佻に跳ね回りながら行きすぎるギターリフに導かれ、エピック的な歌詞が連ねらていくミドルテンポチューン。

■Skoll and Hati
スラッシーなギターリフと細かな音づかいに否が応でも拳を握りしめたくなる疾走チューン。
ギターソロも弾きまくり、グロウルも吠えまくり、粗暴な美音が激しい振動を伴って全力で襲いかかってきます。

■Wings of Eagles
引き続きトレモロリフ大炸裂の疾走曲。
最後に一気に出してくるねぇ。。
ヨーロッパの湿っぽいメロディラインとタイトなリズムが絶妙に絡み合い、理性への反逆を高らかに謳ってるわ。
完全に俺の頭の中のウォールオブデスが決壊して脳内モッシュの嵐だわ。バーサーカー状態ですわ。

■Into the Dark
戦いを終えた戦士達の鎮魂歌のような、或いは戦争映画のエンドロールのようなゆったりとした始まり。
ブレイクダウンした後は、繰り返しJohanが「Into the Dark!」を叫びまだ戦闘中である事を示唆する絶望的な展開、からの、解放的なメロディラインへと繋がる。


総合満足度 90点(テンション上がりすぎてバーサーカーになるレベル)

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