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16:Kauai⑧ Hanapepe Downtown Ⅱ

 此処ハナペペでは「Swinging Bridge」が目当てで立ち寄った。「揺れる橋」確かに日本でも至る所に在りはする。構造上揺れることが当然の橋もある。敢えて『揺れる』を強調した観光案内は彼に指摘を受けるまでもなく、「揺れる」位しか謳い文句がない所なのだろうと期待はしていなかった。
 でも、何となく勘が働いた途中立ち寄り提案だった。

 小さな町には不釣り合いな程、しっかりとした橋への案内。

 1900年初頭に地元の方々の為に造られた生活通路用橋。

 簡素な造り、一人がやっとの橋の幅を観光客が譲り合いながら楽しむ。

 私はこれまでこうした風景の元で育ったことはない。全く生活経験がない風景がまるでDNAに組み込まれているかのように懐かしく感じてしまった。
 時間割が無い夏休みに過ごしていたような、青空が眩しく太陽のリズムで生活しているような世界だ。
 町を流れる川は日本のように護岸工事で窒息しそうではない。緩やかなカーブで町中に流れ、水がある風景を作っている。

 「揺れる橋」だけが見所ではなかった。『「Swinging Bridge」がある町の風景』が素敵なところだった。
 意識的に時間を止めた演出に見えない為「レトロな町」で括るのでは少し印象が変わってしまう、生活を感じられる町だった。

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