原題：Failure to Launch
監督：トム・デイ
製作国：アメリカ
製作年・上映時間：2006年 96min＊劇場未公開
キャスト：マシュー・マコノヒー、サラ・ジェシカ・パーカー、ズーイー・デシャネル、ジャスティン・バーサ、ブラッドレイ・クーパー、テリー・ブラッドショウ、キャシー・ベイツ

　アメリカで騒がれる事象は10年後日本でも問題になると云われている。
　「子ども部屋おじさん」、この映画まさしく背景はあるが35歳にもなって実家暮らしの息子をどうにかしようという、ラブコメディー。
　日本公開はされていないが、VIDEO邦題のままであったとしたら劇場に行くことをかなり悩んだかもしれない。
　Huluの公開期限が迫っている作品から観ようとチェックしていた時に、この豪華出演者作品に出合う。
　マシュー・マコノヒーがこの「子ども部屋おじさん」役？が一番の動機。

　椅子に座ったお母さんと打ち上げボタンを手にする息子のイラストが本来の作品タイトル「打ち上げ失敗」だ。

　　多くの家で母親は夫よりも血縁関係の息子を可愛いとみて、きっと夫からみるところの「差別行動」をさらりとしている（筈）。こうしたところをコメディータッチで軽く抜けていることも肩凝らせず助かる。

　近所付き合いか子を通しての親繋がりでバーベキューパーティーの場で（子が）独り立ちしない事情の報告会と成功者からの指南が繰り広げられる。日本では各家で抱え込みおそらく無い風景だ。

　恋人同様に大切な男友達との時間が随所に挟み込まれる。いかにもといったロッククライミングやオフロードバイク等ステレオタイプのアウトドア風景だが、それはそれで確かに私たちがイメージし易いアメリカを楽しむ。大人になり切れない息子たちの側面でもあるのだが、遊びがない人生も淋しいはずだ。要はバランス。

　「（500）日のサマー」より前にズーイー・デシャネルはこの作品へ出ていたこと。この作品でも多少サマーぽさが既にあったことは意外な発見。それとも、この演技の延長線上にサマーがいるのかもしれない。

　脇を支えると云っては申し訳ないほど、ご両親の存在もまたいい味で良。
　サラジェシカパーカには触れなかったが、ここは相変わらずの演技としか云えない。俳優が揃い、作品時間長さも程よく観終わって楽しさが残る、休日に重く考えさせられずにコメディの日もありかもしれない。＊Hulu8/19迄
★★★