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Join in :ビーチバレー

 泳ぐつもりは全くなかったが、滞在中何度かホテル前のビーチチェアでゆっくり時を過ごした。そうした時に、何となく視界に入っていたビーチバレー。その日、三面あるコートの二面で遊んでいる人らがいた。
 最初は注視したわけでもなく、只、波をみているような感じで眺めていた。ふと、あるグループ構成が気になり始めた。
 6人の関係が全く読めないのだ。年齢も小学生から30代、肌の色も白人、黒人、アジア等とバラバラで親戚グループというにも無理がある。

 その内、小学生の二人の男の子を連れた男性がこのコートに近づくと「息子を仲間に入れてくれ」的な会話がされている。
 その子は3,4年生くらいの男の子、スポーツに長けている様子もない。だが、彼がグループに入ると皆して「ようこそ」という雰囲気でにこやかなハイタッチが始まった。背が高い大人は少し屈み視線合わせハイタッチの姿は微笑ましくもあった。そういうことだったのね、と混合チームの謎に納得した。
 滞在中、こうした光景は他のコートでもされているのを見た。初めはたった二人で始めるバレーボールも六人制或いは変則のグループでプレイとなる。最初から12人の必要がないのだ。
 新しく入った頃は、傍から見ていても溶け込んでいるようには見えないが、失敗をしたり、加点でチーム貢献をしていく内に異質性が消える。

 日本ではおそらく見られない光景だろう。まるで、移民を受け入れるアメリカのミニチュア版を見ているようだった。

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