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24.Estremoz エストレモス

 乾いた大地が続く中、視線先に小高い町が見え始めた頃が40分程乗車した時点、おそらく終点だろう。でも、予想していたよりも静かな印象が窓越しに伝わってくる。エストレモスのバスターミナルは廃線になった駅舎跡に造られた。バスターミナルが町の中心に無いことは察しがつくので驚かないが、それでもEvora同様、降り立った所には何も無い。取り敢えず、中心地を目指す。

 見どころは現在ポサーダになっている丘の上にある城。この城を中心に町は広がっているとガイドブックには記載がある。

 とてもこじんまりとした町で日本では郡部といった風情。レストランらしきものも見当たらず、しゃれたcafeなども見つけられないまま先ずは丘の頂上へ続く坂道をひたすら上るが途中他の観光客に会うこともない。

 城は13世紀建造だが1698年の爆発で今見えている主塔の他は崩壊し再建されている。丘の上まで来てようやく車で訪れた他の観光客と多少出会うことになる。
 主塔はポサーダ宿泊客しか登れないが、城の中は若干様子を見られる。
 *けれども特筆すべきものは、ごめんなさい、無い。

 予定では一日此処で遊ぶつもりだった。が、とてもこれ以上食事を中に入れたとしても夕方まで時間を使えそうにない。此処がこの町の中心であり全てでもあるのだ。

 兵どもの夢の跡、というような古城跡のような趣きはそれはそれで申し分ない。しばらく、心地良い風に吹かれながら丘の上から町全体を眺めた後は予定を繰り上げし戻ることにする。こうした小さな規模の町は残念ながら一日過ごすには限界があり、車で幾つか掛け持ちで回っても十分のようだ。

 丘からバスターミナル迄は直線でも1kmもない町。当初予定していた夕方の帰路の便前にもう一便あったので、兎に角二人大急ぎ町を抜け東端にあるバスターミナルへ戻りチケット変更手続きをしてもらう。

 実は、エストレモス一番の印象がこの総大理石造りの見事なバスターミナルだった。勿論、張りではない。*化粧室も大理石仕様だった。

 


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