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26.海外旅行公用語は英語

 訪問国の挨拶に関しては覚えていくが、他はハンガリーもイタリアにしてもごめんなさい英語で終始通した。(言語体系が違うことは重々承知で)翻って果たして日本でここまで観光客の人々と英語でcommunicationが取れるものだろうかと、旅行先で拙い英語で話す度に考える。今回の様に英語が母国語で無い訪問国の場合は英語を使うにあたり若干気持ちは軽くなる。
 我家にうさぎの家族が居る為旅行先で彼女(うさぎ)の友達をいつしか探すようになってしまい、ここポルトガルでも例外にならず何となく買い物の際は目はうさぎの類を探していた。
 あまり期待せず入った陶器店にウサたちが座っていた。日本では先ずお目に掛かれないデザインだが、その佇まいは前足の揃え具合、躰の丸み、耳の立て方、尻尾の形など実に正確で「かわいい」に走る日本物とは異なる。

 お店の方は、無口そうな方。商い用の笑顔もお顔に張り付いてはいず、恐る恐るレジらしき所へ進む。この子たちの金額は確認したが、それよりも高い額を云われている「ような感じ」が伝わる。Taxの雰囲気でもないのだ。
 もしかすると、お釣りをコインで一つ渡すために多めに準備しろと云っているのかと推察し、該当コインを足すと「そうだ」と云う顔ですっきりしたお釣りを渡された。日本外でこの経験は初めてだった。

 カップ&ソーサを購入した時と同様に、これからまだ半分以上の日程を残し割れ物を買うことに思い止まろうかともしたが…買ってしまう。周りに置いているのはロバの油から作った石鹸。デザインに意味があるのですか?と尋ねるとロバの絵はデザインではなくそのものだと説明してくださる。他にも大きなロバの石鹸、カード数種も購入し、おまけを戴く。このお店では店先でアイスクリームが売られていて何度もお世話になった彼の顔が覚えられていたことも関係しているかもしれない。ここでも互いに流暢にはいかない英語で会話する。

  「22」で触れたのがこのカップ&ソーサ。ティーカップにしては小ぶりでespressoのダブルが丁度位の容量である。陳列ケース内ではこの裏側は当然見えず、そのポルトガルのたおやかさが現れているようで購入する。掌に包むとすっぽり納まり飲み物の温かさと相まって、現在は我家の日常使いの食器棚に住まいを移し私のくつろぎのお伴に仲間入りしている。

 これら旅行先で購入した品たちは、帰国後は基本的には大切にしまわれ写真よろしく時々手に取る世界ではなく日常生活に仲間入りしている。
 旅の余韻から足跡になっている。

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