ウォレス

倫敦:London9 The Wallace Collection

  初日予定は二か所の美術館巡りに併せて二か所目でアフタヌーンティーを取るつもりで動いていた。誤算となる要因は、ハイドパークを「通り抜け」て行く筈がしばしハイドパークに留まってしまったこと。
 結果、『ウォレス・コレクション』到着は当然の流れで遅くなりアフタヌーンティーも閉館時間等を考慮すると断念の展開となる。

 この『The Wallace Collection』を択んだ理由は、多くの美術館と異なり他の美術館への「作品貸与を一切行わない」ことに惹かれた。門外不出、つまり、ここでしか見ることはできない作品がある。
 けれども、通常「この『作品』を観たい」の択び方でなかったことが後々の疲労感を倍加させた。

 15世紀~19世紀の美術、装飾美術、18世紀フランス絵画、家具、武具、甲冑、磁器、オールド・マスターの絵画を25室のギャラリーに展示。設立は1897年。主に第四代ハートフォード侯爵リチャード・シーモア=コンウェイのプライベートコレクションから成り立つ。ウォレスの未亡人がコレクションの全てをイギリス政府に追贈している。
 つまりは、財産ある貴族のコレクションであるため、途中からはその収集癖に辟易してしまった。少なくとも絵画展示方法は感心しない。

 只、家具、武具、甲冑に関しては他ではこの数を一堂に見ることは出来ない為、興味深く見て回った。家具、磁器にみる東洋の影響は特に面白い。

 甲冑の展示では、躰を守る本来の目的を遵守しながら身体性を備えていく進歩過程などが見られ、同時に東洋との文化の差が歴然でこの点は興味深かった。「Noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」の精神がこの部屋を生んだのだろう。
 *基本的に美術館ではどれほど頑張っても写真となった絵に魅力がない為に、絵等に関しては一切撮影しないことにして観ることに専念している。よってこの頁の写真に関してはネットからお借りした。

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