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◇Dublin 夕暮れ

 全島一周し始点でもあり終点でもあるDublin に五日間滞在する。
 これまでの慌ただしい日々から離れ、ゆっくりと過ごす。明日も明後日もまだこの街に居られることは当然行動にゆとりが生まれ、例えば街に陽が落ちる光景を最後まで見届けることができる。まだ、観ていないところがあると駆けずり回ることもなく夕方を過ごせる。

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 夕陽が落ちると代わりに街灯が灯りだす。昼間歩き回っていた街をバルコニーから見下ろすと其処に在るのは観光の街ではなく人々が生活を営む街。

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 反転するように街の絵が主役を交代する。

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 街が眠りに入っても昼間訪れたGuinness工場は休むことなく稼働している姿が暗闇でも分かる。

 こうした時間経過を伴う景色、そして、多くの人にとっては特別ではなく日常が展開するだけの場所が一時的滞在者にとっては惹かれることがある。
 しかし、これは自分で探すしかない。ガイドブックに案内もされない、ツアーが組まれるわけでもない。
 昼間歩いた場所を高い所から見下ろす。日が暮れていく中で街の輪郭がひと時明確に見える時に立ち会うことが私は好きだ。

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 夜の帳が下りて明るい昼間よりもよく見えるものもある。




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