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佐藤輝明のせいだ

うわさには聞いていたのだ。さとうてるあき。阪神タイガース2020年ドラフト1位のスラッガー。

今日は神宮のオープン戦。絵画館駐車場入口には「当日券完売」の文字。平日昼間の開催でも、これだけの人が待ちわびている。野球は、熱い。

阪神ファン友に誘われ、私用の有給休暇を1日ずらした。チケットの取り方がまずかったらしく、同列の離れた席になってしまった。しかし、サイレント観戦にはちょうどいい。

途中、阪友が私の席までやってきた。
「いやーすごい席ですね。ありがとうございます」
「私も驚きました。平日だからかな」
もう二度と、こんな良席には恵まれないであろう、真正面の最前列。この席からでないと眺められない景色を、写真という風景に切り取ろう。

「誰を撮ればいいですか?」
「そりゃあやっぱり佐藤輝明」
「撮りました、さっき。いやぁすごいねありゃ!何あの体。糸井かと思った。デカイねー!」

敵チームのファンがここまで興奮するほど、佐藤輝明は、デカかった。

「でしょう?すごいルーキーですわ」
「これからもっとデカくなるよね。まだまだケツに余力がある。ほんと、糸井みたいになるんじゃない?」

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阪友が自席に戻ってからの、佐藤の第3打席。打球は緑萌える敵チームライトスタンドに突き刺さった。大型ルーキーが見せたホームランに、3塁側スタンドがわく。

スラッガーの、スラッガーらしい、爽快かつ豪快なホームラン。あの大きな体躯を存分に使ってバットを振り抜き、佐藤がはじき返したその白球を、私はつい見上げてしまった。
気づいたら、佐藤はゆっくり、ダイヤモンドを一周していた。

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昨季、神宮で同じようにホームランを見上げたことがある。2020年9月17日木曜日。東京ヤクルトスワローズ・濱田太貴の初ホームランだ。
将来有望、期待のスラッガー。まだ20歳の濱田もまた、本日2ランホームランを打った。

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ホームランは、いい。夢がある。その夢を、大空に運んでくれているようだ。外野スタンドに突き刺さるまでのあの数秒間は、その夢にどっぷりつかる至福の時間なのだ。

本日の反省会で阪友から聞いた、野球の豆知識。
「滞空時間が6秒の打球を打てるバッターは一流だそうですよ。それがキャッチャーフライであっても」

写真に、ビデオに、ストップウォッチまで!?忙しくてたまらない。体がいくつあっても足りないじゃないか。

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佐藤輝明のせいだ。忙しくて、楽しくて仕方がない。

R3.3.16 tue.
S 6-9 T オープン戦
明治神宮野球場

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