元気なら、それで。

東京ヤクルトスワローズのセ・パ交流戦が終わりました。

中止になった広島の3戦を残し、ヤクルトは勝率.556で現在5位。18戦10勝8敗という成績でした。

最終カードは、福岡ソフトバンクホークスとの3連戦でした。「終わり良ければすべて良し」を地で行く3連勝での締め括りに、ニヤニヤが止まらない素敵な週末になりました。

そんな中、ソフトバンク・バレンティンの1000安打&300本塁打という記念アーチがありました。
移籍後1年目の昨季は、選手層の厚いソフトバンクでなかなか出場機会を得られませんでした。
ソフトバンクとは、そういう強い球団です。ヤクルトファンは、遠い神宮から「耐えろよ、ココちゃん」とエールを送るしかありませんでした。

ココのメモリアルアーチに、ヤクルトベンチからも拍手が沸きました。それは、すべてのヤクルトファンからの拍手でもあります。
ずっと見守ってきたマイボーイ。いつでもあなたのことが気にかかっています。

もう一人、ソフトバンクには「マイボーイ」がいます。

川島慶三。

慶三は、ファイターズからトレードでやってきました。そして、トレードで行ってしまいました。
慶三は、先輩達から可愛がられる存在でした。
歳を重ね、今、ソフトバンクでは兄貴分として存在感を示しています。ヤクルト時代を知っているファンからすれば、なんだか不思議な光景です。

野球の実力も、若手に負けていません。スタメンでも代打でも、しっかり結果を残します。
この日も、ココが放った2本のホームランの後、追撃のソロアーチを打ちました。
その瞬間、ベンチから飛び出し喜ぶココの姿がありました。

慶三は、ココの移籍に際し、自らの背番号「4」を譲りました。ヤクルトでずっと付けてきた番号を用意して歓迎する慶三の姿に、「あぁ、この人はこういう人だった」と胸に迫る思いがありました。

ピンチの時、神宮のマウンド会議で、常に笑顔の慶三を見てきました。ピンチの場面でピッチャーに寄り添う姿が重なりました。

ココが不振に不貞腐れて意味深なメッセージをインスタに載せ、ファンをざわつかせた時も、その事態収集に当たったのが慶三でした。

相変わらず優しいんだな。貴重な人を、ヤクルトファンは手放してしまいました。

5月、慶三の実家で不幸がありました。その時、インスタに「kz My boy」と慶三をお姫様抱っこする自身の写真を載せたのは、ココでした。
親友が敬愛する母の死を、自分のことのように追悼し、その心に寄り添っていた、ココ。

二人でそうして、助け合って野球をしてくれれば、それでいいよ。

元気なら、それで。

「今日のホームランは、村上宗隆、山田哲人、バレンティン、川島慶三……なんだ、みんなヤクルトか」と沸くSNSに、つい吹き出してしまったよ。
次に会うのは、日本シリーズかな。
お、笑うな!ヤクルト、強かったでしょ!

R3.6.13 sun.
H 4-6 S セ・パ交流戦
福岡PayPayドーム

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