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青木宣親の盗塁は“奇襲作戦”なのか ○G×S●16回戦

4回表。先頭打者・青木宣親は、フォアボールで出塁する。そして、ネクストバッター・山田哲人の初球で、二盗した。
バッテリーは無警戒。高めに逸れたキャッチャー・大城卓三の送球に、セカンドにすべり込んだ青木はセーフとなった。
解説・江川卓は「隙を突きましたねー。我々も気を抜いていました。これは大きいですよ」と面食らったように言った。

山田哲人は、ライトフライ。タッチアップで、青木は三塁に進塁する。場内から「おーっ」と声が上がる。

……そんなに青木が走ることが珍しいか?

「青木選手は盗塁しました?」
「今季初盗塁ですね」
「ですよね」
盗塁のイメージが全くない青木の盗塁に驚く、讀賣のレジェンド江川卓。いや、江川卓は褒めているのだ。続く村上宗隆のライト前タイムリーで1点先取したヤクルトに、「青木の盗塁が効きましたよね」と、讀賣のレジェンドは、褒めていた。

たしかにそうだ。ノーアウト二塁の状況を作り、山田哲人の犠牲フライで三塁に進塁したことで、村上のレフト前ヒットでも悠々ホームインすることができた。
「青木の盗塁が効いた」先制点だったのだ。

試合中の振り返りでも、ヤクルト先制の場面で「相手の意表を突く奇襲作戦」という言葉が幾度となく出てくる。
これが奇襲作戦だったのかどうか、今のところ何の情報もない。
ただ、私は思う。

いくらベテランと呼ばれる歳でも、いくら今シーズンの盗塁がなくても、青木宣親が走ることは、

奇襲だったのか?

と。

青木は、足が速い。盗塁王に輝いたこともある。歳を重ね、全盛期は越えているだろうが、プロの第一線で活躍できるだけの走力はまだ十分あるのではないか。
皆が驚くこの“奇襲作戦”も、私にしてみれは蓋然なのだ。そんな、驚くこと?

仮にこれが、盗塁のイメージがない青木が走るという“奇襲”であり、その奇襲で盗塁を成功させるという“作戦”だったとして、私はただ、

青木が、チームが、1点をもぎ取るために先の塁を取りにいく勝負をした。

それがすべてだ。そうとしか思えなかった。

この一週間。勝てなかった。それでも私は、一つ先の塁を取るために走る青木宣親を見た。
昨季の連敗中、チームを、私を支えた青木宣親の言葉を置いておく。だから、笑顔で神宮に帰ってこい。なんだか下を向いていないか?ノリちゃん!

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「やまない雨はない」

R2.9.13 sun.
G 3-1 S
東京ドーム

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