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地元の雄 唐川侑己

「唐川って、やっぱ人気なんだねー。千葉出身だからかな」
「やっぱり、地元の選手は応援したくなりますよね」

そんなやりとりをついしてしまうほど、唐川侑己の登場に送られた拍手の音量は、それまでと格段の差だった。

ヤクルトファンで、ファイターズファンの私でも、唐川のことは知っている。
唐川の入団が決まった2007年。成田高校の唐川侑己は、仙台育英高校の佐藤由規(元東京ヤクルトスワローズ、現埼玉武蔵ヒートベアーズ)、大阪桐蔭高校の中田翔(北海道日本ハムファイターズ)と肩を並べる、高校生ドラフト(分離ドラフト最終年)の目玉選手だった。

「高校BIG3」と呼ばれ、全国に名を轟かす地元の雄が、千葉県にあるプロ野球球団に入る。しかも、大学・社会人ドラフトのように、逆指名制度がなく、くじ引きに運を託すしかない状況で、千葉ロッテマリーンズがその運を引き寄せた。

目に見えない力が働いた。これは運命と言うより、宿命。そう千葉県民は沸いたのだ。

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同じ文化、同じ食習慣、同じ教育。見てきた風景を共有できる、地元出身の選手。

皆が注目し、その一挙手一投足を見守っていることが、今日の拍手の理由だ。そしてその拍手は、唐川が鷗の鳴き声を背に投げ続けるその間、鳴り止むことはない。

R3.5.9 sun.
M 7-4 B
ZOZOマリンスタジアム

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