ライアン小川の危機管理能力

完投とは、先発ピッチャーにとってどういう位置付けなのだろう。

先発-中継ぎ-抑えというピッチャー分業制に、ショートスターターという新たな概念まで日本の野球に入ってきた、今。一人の過重を減らすための、個人に特化した危機管理だ。

一方、中継ぎ陣と抑えがフル稼働となれば、いずれ投げる人がいなくなる。先発が中6日で踏ん張ることが、チームという組織の危機管理にもつながる。

さて、今日の、ライアン。個人と組織、その相反する危機管理を遂行した。

球数99球。中継ぎ・抑えの同僚と、自らの肩肘を同時に守るピッチングで、被安打3、四死球0の完投勝利をあげた。

小川泰弘の完投は、2020年8月15日、ノーヒットノーランを達成したその日以来だった。
前回、5月2日の対DeNA戦では、2回0/3で途中降板。東京都の緊急事態宣言を受け、延期と無観客開催で乗り切る間に、登録抹消されていた。
この10日間で、下半身強化とストレートの投げ込みを行っていた。今日はその成果を十分発揮した。

明日は、ライアンの誕生日。危機管理能力を備えた大人は、31歳になる。

R3.5.15 sat.
D 0-5 S
バンテリンドームナゴヤ

追記
投球数100球未満での完封勝利を「マダックス」と言うそうだ。語源は、グレッグ・マダックス。アメリカ野球殿堂入りしている、伝説のピッチャーだ。「マダックス小川」か。それもまたいい。


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