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変わった世界で得るもの

東京ヤクルトスワローズ戸田球場の試合が、前売り制になる。

戸田が、とうとう。あの、台風で水没する、河川敷のアナログ球場に、インターネット販売がとうとう導入されるのだ。

私の場合、イースタンリーグはファイターズ鎌ヶ谷スタジアムに出没する。それでも、平日昼間の観戦は勤め人にとってフラッと行けるものでもない。ましてや、鎌スタの倍の時間をかけて通うとなれば、戸田への足はつい遠のく。

最終日くらいしか行かない戸田は、勝手が分からない。きょろきょろ、きょろきょろ。みんなが並んでいそうな列に並び、画角も分からない席を選ぶ。行き当たりばったりの最終戦観戦も、それはそれで楽しかった。

球場の景色が変わった、2020年。検温、マスクが日常となり、応援歌、ハイタッチがなくなった。それを「失ったもの」として数えれば、もう野球場には足を運べない。

応援歌のなくなった静かな野球場では、選手の声という発見があった。応燕団もいない神宮で、手拍子のチャンステーマが自然と合ってくる。知らない同士のハイタッチは、エアハイタッチに形を変えた。

変わった世界で得るものは、ある。

手元のスマホで、何でも気軽にできる世の中の流れにあらがうかのごとく、朝から並び、自由席を取る方式が続いていた戸田球場。きっかけがコロナであったとしても、こうして変わったことも喜び、楽しむ。
自分の人生に、ヤクルトがあるのならば、それくらいの努力はたやすいことだ。

今週末、チケット購入計画を整理する予定だったところに入ってきた、戸田のチケット取り。遠征と被る日をどうするか、いよいよ決めなければならない。
そしてそこに、東京ドームのビジターゲームをどう入れるか。そんなことで頭を悩ませる羽目になってしまった。

私が讀賣のホームゲームを見に行こうとする日が来るなんて。生きてれば、なんかある。なぁ、大志。

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