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アンダルシア地方・マラガの記憶 〜スペイン一人旅日記〜

※このnoteは、2019年5月〜6月にかけてのスペイン一人旅の記録を振り返りつつ綴った旅日記です。

グラナダ日帰り旅の翌2日間は、滞在していたマラガでのんびり過ごすことにした。本当だったらマラガ近郊の他の街を訪れたかったけれど、ドタバタのグラナダ旅の経験からタイトスケジュールは良くないと反省し、ゆっくり過ごすことに決めた。

マラガはスペインの中でも南に位置し、地中海に面したリゾート地でもある。マラガをアンダルシア滞在の拠点に決めたのは、空港があったこと、ピカソの生誕地でありピカソ美術館があること、そして高速バスの利便がよさそうだったからだった。

この日から同じマラガ内で別のホテルに2泊する予定だったので、午前中にチェックインすることにした。それまで滞在したマラガの駅前のホテルは比較的安めだったので、次は街中でちょっと良いホテルに滞在しようと決めていた。ちょうどagodaで良さそうなホテルが安くなっていたのだけど、これが立地もよくお部屋もとてもキレイで広く、大満足のホテルだった。

ホテルに荷物を置いた後は街をぶらぶらし、バルで食事をしてピカソ美術館を訪れた。

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建物はアンダルシア地方の伝統的な家屋の造りで、中心部に屋根のない中庭(パティオ)があり、そこから日が差してとても気持ちの良い空間だった。

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こちらの美術館では数あるピカソの作品の中でも幼少期や若い頃の作品が多く保存されていた。時間をかけて、ゆっくりと自分のペースで作品を一つ一つ鑑賞する時間は至福のひとときだった。

部屋と部屋の間にスクリーンが一つあり、ピカソが絵を描いている映像が流れていたのを、今でもよく覚えている。ピカソは驚くほど筆を進めていくのが早かった。最終的に馬ができあがったのだけれど、とにかくシュッシュッとものすごいスピードで、あれよあれよという間に作品は完成された。まるで、手を動かす前からピカソの頭の中で既に絵ができあがっていて、それをただ手という手段を使って再現しているかのようだった。

そうしてゆっくりと美術館で絵を鑑賞し、ほんとだったら美術館内のカフェでのんびりしたかったのだけど、お昼を食べすぎたのか体調が優れず、泣く泣く諦めることにした。


マラガ滞在2日目は、街の中心部すぐの山手にある「ヒブラルファロ城」へ行ってみることにした。バスで坂を登り、少し歩いて小さな山の上にたどり着く。

お城の中を散策していると、塀の上を歩く人の姿が見えたのでわたしも登ってみることにした。ここからの景色がとてもキレイで、塀の上を歩くのも何だか非日常的でワクワクした。

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海に山、街そしてお城。こんな景色、珍しいな〜と思いながら写真を撮った。

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晴天に恵まれ、柔らかな海風が心地よい。空と海の蒼のコントラストが美しかった。

街の景色をぼーっと眺めていると、色々な感情がこみ上げてきた。

日本からスペインに一人で来たんだ。ここまで来れて本当によかった、という気持ちと、わたし、ここまで一人でよく来たな…と自分で自分が信じられない気持ちが混ざり合う。スペインに来る前は一ヶ月一人で大丈夫なのか心配で心配でよく眠れない日もあった。それが今や、ちゃんと毎日こうして旅を楽しんでいる自分がいる。それだけで、自分がちょっと成長できた気がした。純粋に嬉しかった。

そんなことを思いながら、自分の足で踏みしめた街を見渡す時間は何とも気持ちの良いひとときだった。

それからというもの、今回の旅では展望台や眺めの良い小高い場所があればとりあえず行ってみることにした。それが意外にも楽しくて、わたしの旅のTipsの一つになった。

街の景色が見渡せる場所を訪れる。それが好きだなんて、やってみるまでは全然知らなかった。

何でも、進み始めたら後は前に進むしかないし、好きかどうかはやってみないと分からないものだな、と感じた。

ただ、頭ではそれを分かっていても、実際に行動に移すのってなかなか難しい。あの旅から一年後の今、その難しさを改めて感じたりしていて、それが生きるってことなのかな、とも思ってみたりする。


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昨年のスペイン旅中に綴ったnoteでは、ここに書ききれなかったマラガの情報も記しています。











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