おいたちから

私は大阪生まれ大阪育ちのあと数日で27になる女だ。
家族は父、母、姉と弟、そして猫が2匹。
現在は実家を出て東京に住んでいる。
こちらは出てきてもう4ヶ月近く経つが、慣れたかと言われれば慣れたし、慣れてないかと言われれば、そうだ。
仕事中、眠気覚ましによく物思いに耽っている途中で、noteを再開しようと思いついた。
大したものはかけないし、大した人生や日常を送っていないので面白くはないかもしれないが、仕事中に掘り返した記憶たちをここに弔ってあげようと思う。

私は、小さい頃から歌を歌うのが好きだった。
特にどのアーティストというわけでもどのジャンルというわけでもなく、ただ流行りの歌をこだわりもなく歌っていた。
マンションということもあり部屋数が少なく、自分の部屋はなかったので、自分の勉強机だけがはっきりとした自分のテリトリーだった。
毎晩家族が寝てから(父は夜仕事のことが多く、母は眠るのが早かった。)、私は勉強机に向かってノートを開くわけでもなく1、2時間ほどただ歌を歌っていた。
結構なボリュームだったと思う。夜トイレに起きてきた母に注意されたこともあった。
中学生に上がってからは、PCで歌詞サイトからメモ帳ソフトに歌詞を書き写し、コピーして歌うという気合の入り様だった。
その時は確か、ボカロとアリプロジェクトがよく流行っていた様に思う。
そんなふうに、私は夜な夜な歌ってはたまに叱られてを繰り返していた。
カラオケに行くという発想がなかったので歌う場所はいつも勉強机だった。

中1の頃にmp3プレイヤーを手に入れた私は、CDがなくても曲が聴ける手軽さに感動し、当時はまだそこまで一般的ではなかったボカロの曲を入れるのにもとても重宝していた。
ボカロの曲は、元が人間ではないということもあってなぞらえる歌い方がないのでとても歌うのが楽しかった。今でもカラオケで思い出してはよくいれているが、記憶が少しずつ薄れつつある。

こんなふうに私は、歌手なら昔のエピソードに出せるくらいには歌を好きだったが、変にリアリストな冷めた性格のせいでそれを将来の夢や、目標にしたりすることはなかった。
それはもしかしたら、親が夢追い人のような人たちではなかったからかもしれないが。
こうして私は、今もカラオケが趣味の大人になったわけである。
学生の頃月に一度は一緒にカラオケに行っていた友達は、もうカラオケにはほとんど行っていないという。
なんだか私だけが取り残されている様な気持ちで、体だけが大人になり、心はまだまだ大人になりきれていないのかもしれない。


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