【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 キャリア教育は「仕事」「働く」だけじゃない
キャリアコンサルタントとして活動する方たちの中には、
小中学生など、早い段階からのキャリア形成支援として
キャリア教育に興味を持つ方もいらっしゃいます。
就職活動に悩む大学生の姿を通して、
「もっと早い段階から働くことを意識できていれば」
という問題意識が生まれるのではないでしょうか。
この場合の「キャリア教育」とは、
職業観の養成や多様な職業について学ぶという
ニュアンスが強いように思います。
「キャリア」という言葉がついている「教育」なので、
興味を持つ入り口としてわかりやすいポイントなのは
間違いないですね。
どんな入り口であっても
興味を持ってキャリア教育に関わる人が増えるのは
とてもいいことだと思っています。
ゆえに、
キャリア教育は「仕事」「働く」だけじゃない、
ということを、
たくさんの人に知ってもらえたらと思っています。
そのために。
平成23年1月に出た中央教育審議会の答申
「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」
で提示された、
「基礎的・汎用的能力」をみてみたいと思います。
「基礎的・汎用的能力」の4つの能力のうち、
いわゆる「働く」「職業」に関するものといえば、
「キャリアプランニング能力」でしょうか。
就職活動に関係するものとしては、
「自己理解・自己管理能力」もイメージがしやすそうです。
ですがさらに、
これ以外の2つに注目してほしいと思っています。
自分の子どものころ・学生のころの経験を思い出しつつ、
どんなところでその能力を身につけてきたのかを考えてみると
理解がしやすいのではないかと思います。
ひとつは「人間関係形成・社会形成能力」。
以下のように定義されています。
様々な他者と関わるシーン、と考えると、
学級活動や班活動もそうですし、
部活動や小学校での縦割り班いった異学年交流も
昔からあったキャリア教育の大事な機会です。
最近では地域の中に出て活動する学習も、
社会形成能力の養成を目指したものだと思います。
もうひとつは「課題対応能力」
以下のように定義されています。
これは実際に働き始めてから培った方も多いのではないでしょうか。
学校段階での具体的なシーンとしては、
委員会活動や部活動などの中で、
自分たちで計画して協力して実行していくシーンが
たくさんあるはずです。
修学旅行等の「班行動」もそうですし、
最近ではビジネスプランを考えたり起業体験をしたり、
というのも、課題対応能力の養成につながる体験です。
キャリア教育という言葉が出てきたのは
平成11年と言われており、
大人世代は「自分たちのころにはなかった」と
思いがちです。
確かに、様々な職業に触れるような学習はなかったかもしれませんが、
社会に出ていくため、自らの人生を切り拓いていくために
必要な学習の場は昔からあり、
先生たちが工夫をして活動を作ってくれていたのだと思います。
「働く」「仕事」だけじゃないキャリア教育に目を向けると、
キャリア教育がもっとおもしろくなりますし、
社会人にできることもたくさんあることに気づけるはずです。
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