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昇天ストレス商店

世界有数のアイデアを提供するセンクス商店には
今日もたくさんの来客がある。

本日訪れた客は、20代くらいのアイドル顔負けの美女である。
その子は何を言い出すか、
私を好きにしていいですから、
私を使って脳屁をクリエーションしてくださいというのである。

例えるのであれば、
若手モデルが篠山紀信に、私を撮ってくださいと言うようなものだ。
篠山紀信と髪型は似ているので、おそらく同じような感じだ。

その後も来店は続く。
収穫を待ちわびている稲
車のフロントガラスに止まっていた見たこともない虫
ドアの取っ手の部分にたまっていた埃
誤って踏み潰してしまったミジンコ

皆が私に口を揃えて言う。
「私で脳屁してください」。

私で脳屁してくださいと言われても、
美女を屁にするのは何だか失礼だと思ってしまうし、
個体をどのように気体にするかも考えなくてはいけない。
気体への期待にどのように答えたら良いのやら。

ミスターセンクスは昔訪れてきた珍客を思い出した。
トイレの床に落ちていた縮れ毛のことだ。
彼は自分が何者かわからないと悩んでいた。
天然パーマの頭髪か、陰毛なのか、
悩みに悩んだがもう自分がわからないと言う。
いっそのこと屁にしてほしいと私に懇願してきたのだ。

そうか
美女と縮れ毛を組み合わせることで脳屁になるかもしれない。
縮れ毛という本来は隠れているものの恥じらいを美女に付加することにより、
見てはいけないものを見てしまったという恥じらいを持たせる。
そうすることで、ただの美女は高付加価値美女となるだろう。

センクス商店への来客は、
センクスのクリエイションに不可欠なものなのである。

先日、私の友人がそれは「インプット」と言うのだよと教えてくれた。
横文字はよくわからない。
Japanese please! Cause I'm Japanese!
と返しておいた。

センクス商店の来店数は年々伸びていき、
最近では行列も出来始めている。

ストレスには良いものと悪いものがあると言うが、
良いストレスの根源はココにあるのではないかと思うだ。
外圧がかかるとストレスを感じるが、
センクスにとってはこの来客もストレスなのだ。
つまり脳屁のタネが押し寄せてストレスを感じている。

しかしそのストレスは私に壮大なインちゅピレ〜チョンを与えてくれる。
気持ち良い部分をチクチクとさしてくるその客の刺激により、
私は昇天してしまうのだ。
昇天した瞬間に脳から出る屁が脳屁だと今気づいた。

良いストレスと悪いストレスを事業仕分けするとしたら、
昇天するかどうかだ。

なるほど、これでストレスとも仲良く付き合っていけそうである。


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