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得体のしれぬ強者

そのソムリエが出すワインは
どれもとてもおいしかった
ワインの知識はあまりなさそうだが
料理とのマリアージュが素晴らしい
まさに職人といった感じか
言葉少なめに芯を突いてくる
この心地よさが一流を匂わせる

そう匂わせたソムリエは料理人だ
ソムリエはコロナになってしまい休み
仕方なくソムリエの服を着てホールに出る
ワインのことなどは知らないが
料理のことは熟知している

それが功を奏したのである
料理を知っていればわかる
赤なのか白なのか
辛口なのか甘口なのか
まろやかなのかとがっているのか
そのくらいの知識はあるから
料理を知っていれば
それに合うワインがわかる

得体のしれぬ強みとはそういうことである
本業ではないのだが共通する部分があり
あっちでは常識なことであり
こっちでは常識でないことを振り翳せば
謎の強さを発揮するということだ
異業種参入みたいな言葉があるが
それに近くもない気がする

役職や資格というものがあるが
それにイメージが引っ張られることがある
そんな枠をぶち破るものも猛者であるが
枠に囚われてしまう人もいたりして
燻り燻製となってしまう人もいる

枠に入れれば判断しやすいこの中で
ユニークネスをぶちかます方法は
誰でもない誰かであることなのかもしれない
かも

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