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平安グループの上半期

日本の保険会社に勤務していると、平安保険の規模のデカさには圧倒されます。設立の社員は13人、まだ30年ちょいの会社なのに、凄い成長。
中間決算のポイントは、個人的に「テクノロジー」です。

**Ping An Good DoctorとOne Connectの二社に注目します。 **

Ping An Good Doctor
昨年、日経で取り上げられてから、日本での認知度が高くなったように感じます。

売上は、2,273百万元 日本円に換算し34億3千万円。対前年 102.4%増
今年6月の月間アクティブユーザーは6,270万人。対前年 29.4%増

MAUが6,270万人にまで成長したので、オンライン医療のデータが集積され、中間層向けに有料サービス「Private Doctor」をローンチ。

従来のオンライン医師相談や健康管理サービスに加え、オールタイムナーシングやセカンドドクターの対応、1時間以内での処方薬の宅配、高品質な病院の訪問が可能となるようです。

営業利益面では、グループ内で唯一マイナス成長のテクノロジー分野を強力に牽引できるか、最注目です。

One Connect
ブロックチェーンを活用し、モバイルバンキングやデジタルローン、マーケッティングを提供。AIと視界共有システムを活用し事故車両の協定サービスといった金融機関向け統合システムが主のテック企業です。
前述のGood DoctorがC向けに対し、One ConnectはB向けです。

香港で、バーチャルバンキングのライセンスを取得したと発表があり、恐らくネット専業銀行の認可を取得したと考えます。

今年、上場が予想されるためか、売上や営業利益は不明です。顧客が法人ですから、Godd Doctorほど爆発的な伸びはないと予想しますが、優良なストックビジネスを展開できそうです。

番外 損保編
保険料収入は、9.7%増の130,466百万元。運用益が62.1%増の9,366百万元。営業利益69.5%増の10,039百万元。主力の自動車保険では、Ping An Auto OwnerというAppを2014年にローンチし顧客とのタッチポイントを獲得していく方針だそうです。

最後に
平安保険は、直販社員が顧客と契約するスタイルで営業していますが、契約以外のタッチポイントをオンラインで獲得しています。80%超の顧客が平安関連のAppを使用しています。日本の保険会社のように、レギュレーションがあるから中途半端なサービスしか提供できないというスタンスでなく、社会的な問題の解決や顧客のペインポイントを理解しようとした先に素晴らしいプロダクトをローンチする姿勢を見習いたいです。

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