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journal - Siem Reap, Cambodia

成田空港からプノンペンまで飛び、プノンペンで国内便に乗り換えてシェムリアップ(Siem Reap)へ。シェムリアップとは、シャム人(タイ人)を追い出した街という意味らしい。アンコールワットに行くと、クメールとシャム、チャンパとの戦いのレリーフが残っている。

12月後半。乾季に入り、雨は少ないが、曇り空が多かった。車で主要遺跡をめぐる途中、汗がとめどなく流れる。とても暑い。

アンコールワットやその周りの遺跡群は、ポルポト政権下に部分的に破壊されている。各国の援助が入り、修復を行っているが、何よりも、樹木の根っこによる遺跡の破壊が著しい。

現在のカンボジアの人口は、仏教徒が大半を占めるが、アンコールワットの遺跡群はヒンドュー教の寺院と仏教の寺院が入り混じっている。南大門に続く道に、阿修羅と神々がナーガ(蛇)を引っ張り合うシーンがモチーフの欄干がある。壊れている部分も修復されている部分もあるが、阿修羅の表情、蛇の重み、神話に(もしくは当時の人々にとっては神話ではなく生きた伝承として)魅せられた人々の所作を思う。

街の博物館に行っても、実際にどれだけの人が建設のために駆り出されていたのかについて言及する展示はなかったように思う。実際に建設にあたった人々はどのような人だったのだろうか(給料は支払われていたのだろうか?)。

ところで、アンコールワットの遺跡群に入場するのに1日37ドル、3日だと62ドルのチケットを購入する必要がある。カンボジアの平均月収は100ドル、1万円ほどにしかならないらしい。十数年前まで国民の半分以上が貧困線以下でくらしていた時からずいぶん貧困問題は改善されているようだが、案内してくれたガイドは「日に数千人訪れる観光客から37ドルを徴収し、そのお金が国民に還元されているとは思えない」と話す。

カンボジアの人々はみんな、とても若い。ポルポト政権における大量虐殺はもう30年も前になるけど、老人を見かけない。

美しい自然、素敵な人々、過去の栄華を示す遺跡群。将来どんな風になっていくんだろう。


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