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心を開く鍵。

私の職場には、目を合わせずに挨拶もしてくれない人がいる。

歳は20代半ばくらいの女性。

社員さんなので担当の売り場の商品の発注などを任されている。


私たちパートは、新商品の事や分からない事を聞くため彼女に時々確認を取りに行く。

その時も彼女は目を合わさない。
一言二言の返答のみだ。


彼女がぶっきらぼうなのは皆承知のこと。だから彼女に挨拶をしない人もいる。


私は相手が誰であれ挨拶をする。
苦手な人であってもそう。
知らん顔されても。
とにかく人を選んでの挨拶ができないのだ。


だから目も合わせてくれないし挨拶をしても返答がない彼女に対しても私は毎朝必ず「おはようございます」を言い
店内ですれ違えば「お疲れ様です」と言い続けた。


ある日の朝、いつものように「おはようございます」と挨拶をしたら「おはようございます」と言ってくれたのだ。
その日から「おはようございます」はもちろん、店内ですれ違えば「お疲れ様です」と彼女の方から言ってくれるようになった。
ただ、目は合わせてくれない。



『彼女に挨拶しても挨拶してくれないからもう挨拶しないの。』という人も居る。

「それでも挨拶していたら返事をしてくれるようになったよ」と伝えたらとても驚いていた。


挨拶は心の扉を開く鍵。

相手の心を開くのが目的では無い。
私の心の中の扉を開けば、相手はその開いた扉を見て『自分も扉を開いてみようかな』と開けてくれるのかもしれない。



彼女とは仕事以外の話をする事はない。

けれど、彼女から仕事を頼まれた時は『そこに小さな信頼が確かに有る』と感じる。
そして心の中で微笑む私がいる。

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