私はなぜそれをやりたいのか?私がそれをする理由は?

現在、「中小規模の蔵元でも簡単に海外へ日本酒を輸出できるシステムを構築したい」と奮闘している。

と同時に、同テーマでビジネスコンテストにも応募していて、
テーマが「東京から世界を変える」だったりするので、
壮大なテーマでないといけない!と頭が引っ張られていた。

その結果「知られざる日本のお酒を世界に広め、ワインと同じくらいの市民権を得る!」みたいな超絶壮大なビジョンになっていた。

でも「なぜそれを自分がやるのか?」を考えたとき、
どうもしっくりこない。
なぜなら私は日本酒を飲むのは大好きだけれども、
その業界に一度も足を踏み入れたこともないし、
海外に関わる仕事もしたことがないからだ。
側から見たら、コイツはなぜ急にそんなことを言い出してるんだ?と思われても仕方がない。
言ってるこっちも正直、納得いってない。

今一度考え直したとき、ある出来事を思い出した。

大学生のとき父親が経営した会社が倒産した件だ。
私は家を出て一人暮らしで遠くの大学に通っていたのでその場にはいなかったが、父と母(特に母)はすごく苦労したと思う。
弟も渦中にいて大変だったと思う。
そのことも原因の一つとなって祖母は一人暮らしするようになった。
自己破産だったから実家も差し押さえでなくなった。

母から「今朝会社が倒産しました」とのメールが来たのは17年前の6月、私は大学1年生で1時限目の講義を受けていたときだった。
そのとき、胸がずーんと重くなる感覚があったのを覚えている。
私は悲しいことや辛いことがあると、真っ直ぐ受け止めないようにする癖があるから「そっか」くらいで気持ちを押し殺した。

でも言えなかったけど、心の中では家族を心配していた。

私が大学に入学するまでは潰さないようにこらえてくれたのかな。
胸がつまった。

祖父の代から父が引き継いだ建設会社。
小さな会社だったけど、少なからず従業員もいた。

そんな背景があったからこそ、
昔からある会社に手を差し伸べたいと思ったのかも知れない。

日本の伝統を守りたいとかそういう大きなことじゃなくて、
本当はそこにいる家族とか家とかを守りたいんじゃないか?
思い出のあるその場所を。
その結果として伝統は続いていくのではないか。

昔からある小さめの会社は、
知識不足とそれを補うための人材不足、
時代の流れに知らぬ間についていけなくなって歴史に幕を閉じることが多いのではないかと思っている。
そこを補っていく必要がある。

「日本酒を世界へ」は後からついてくることであって、
まずは目の前にある危機に瀕している蔵元さんを助けることを
第一目標とする方が良いのではないか?その方が腹落ちする。

というか、日本酒に限らず「昔からある中小企業支援」で良いのかも知れない。

ただ、今の私のスキルでできることは、
中小企業のためのマーケティングリサーチ…?
しかし調査は売上に直結するわけではないから、
危機に瀕している会社にとって優先度は最も低いと言っても過言ではない。

まずは中小規模の蔵元さんに伺って、
今の販路や売上状況、課題に感じていることや
挑戦したいができていないことをお聞きし、
解決策をいっしょに考えることからなんだと思う。

そして実際に力添えできて、
(僭越ながら)ピンチから救えたら最高だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?