FEエンゲージは、微妙な要素があるものの、秀逸なゲームバランスの手強いシュミュレーションだ!
はじめに
私は、1月20日発売のファイアーエムブレムエンゲージ(以下“エンゲージ”)をハードクラシックでクリアしました。
とても楽しいゲームだったので、感想文を書きたいと思いました。
この記事を読んで、エンゲージに興味をもっていただけると幸いです。
この記事はゲームのトーンを伝えるために、9章までのネタバレを多少含みます。ネタバレを気にするかたは見ないでください。
自己紹介
まず始めに、私のFE歴を語ります。クリアしたシリーズは以下の通りです。モードを選べるものは、全てクラシックにしています。
シリーズの中では、if暗夜王国、♯FE、風花雪月、サイファが好きです。シュミュレーション部分やゲームバランスが秀逸な作品が好みです。
洗練されたゲームバランス
エンゲージは戦闘が秀逸で、とても良いゲームバランスです。ゲームの魅力を語っていきます。
少しずつ覚えていける、ゲームシステム
戦闘では、ゲームを優位に進めるための要素がいくつもあります。ブレイクや紋章士の指輪(以下”指輪”)など、いままでになかったシステムもあります。
それらのシステムを少しずつ解禁して、プレイヤーが確実に覚えられるように作られています。
アーチャーが仲間になるマップで、特攻を与えられるペガサスナイトが敵として登場する。高い移動力を持つシグルドの指輪が手に入った直後に、孤立している味方を救援するマップで戦うなど、新しい要素をすぐに活かせるように作られています。
派手さとゲームバランスを両立させている紋章士の指輪
指輪はエンゲージの目玉です。英雄の力を借り、強力なスキルを使えます。移動力が5増えて、一列に並んでいる敵に突撃しまとめて攻撃できるシグルド、周囲の仲間のステータスを上げ、隣接4マスの仲間を再行動させるベレトなど、それぞれ個性的な指輪が揃っています。
指輪は適当に使って無双できるものではありません。適切なタイミングでスキルが噛み合ったときの爽快感があります。
また、ストーリーで手に入る指輪の順序がとても良いと感じました。序盤は機動力や戦闘力を底上げする、派手な効果の指輪、中盤以降は仲間のサポートや待ち伏せをして条件が揃えば強い指輪を手に入れられます。
序盤は指輪の強みが分かりやすく伝わり、ゲームに慣れてきた中盤以降は戦いに幅を持たせ、考える楽しさを味わえます。
マンネリを感じさせない凝った戦闘マップ
戦闘マップは多種多様です。篝火が頼りな暗い夜、砲台を備えた船上、足場の悪い砂漠など、癖のある戦場が舞台となります。
それぞれ有用なユニットや戦法が異なるため、マンネリ化することなく、最後まで戦闘を楽しめました。
「歩兵が入れない川はペガサスナイトなら飛び越えて行ける」など、戦闘マップの多様性は、ユニットの特徴やゲームシステムを覚える手助けにもなっています。
戦闘に関する環境設定が豊富
戦闘に関する環境設定が豊富です。アニメーションをじっくり見ることもできるし、OFFにすることもできます。また、ボタンを押しっぱなしにするとアニメーションの早送りもできます。
それ以外にも、ゲージの表示など、様々な要素が設定できます。
お好みに合わせてカスタマイズしましょう!
その他、良い点
エンゲージは戦闘以外でも良い点がいくつかあります。グラフィックとBGMが特に良かったので、語っていきます。
可憐なグラフィック
グラフィックのモデリングは可愛らしくてとても良いです。画像を見てください!!!
没入感が高まるBGM
BGMがとても良いです。戦闘では、アニメーションに移行すると、BGMが激しくてカッコ良いものに変化します。
ムービー中のBGMは壮大なものが多かったので、終盤は雰囲気でストーリーを楽しめました。
気になる要素
エンゲージはいくつか気になる要素があります。それらを挙げていきます。
薄っぺらく既視感があるストーリー
ストーリーはイマイチです。キャラクターの死や、絆の力で何とかするところなど、覚醒・ifで見たような展開が続きます。
ストーリーは特にひねりがなく、序盤は駆け足に進んでいくので、製作陣が感動させたいであろうシーンでは、なんの感情も湧いてきませんでした。
世界観も薄っぺらく、国同士の繋がりがふわっとしか伝わりません。
ストーリー終盤はベタでゴリ押し感はありますが、熱い王道展開だったので、(ストーリーの期待値が低かったこともあり)個人的には好きでした。
キャラクターの頭が悪い
エンゲージの舞台となる、エレオス大陸の人々は、全体的に頭が悪いです。
おそらく関所は存在しておらず、警備が手薄なので国は簡単に攻め込まれます。大切なはずの指輪も管理がザルなので、簡単に奪われます。
ムービーシーンでは、戦闘中で大将や王族が最前線に立って、ベラベラ話しています。周りにいる兵士が少なくて、スカスカなところも気になります。寒くて痛々しいセリフが多く、ストーリーや世界観をよりチンケなものにしています。
キャラクターの頭が悪いので、真面目なはずのシーンも茶番感に溢れています。
過去作キャラの扱いが適当
セリフ回しが秀逸だった♯FE、イラストやカードのテキストでニヤリとする要素があるサイファとくらべて、英雄(過去作キャラ)の扱いが適当です。
英雄がそれっぽいセリフを話している。ただそれだけです。英雄とコミュニケーションを取れる「絆会話」では、一言薄っぺらい会話をするだけです。
英雄の外伝で、そのシリーズで印象的だった戦場が舞台となるところは嬉しかったです。
拠点の各種要素が面倒くさい
ミニゲームはつまらないし、何度も行うのは苦痛です。ゲームが優位に働く要素があるので、ミニゲームはやっておいたほうが得なのもしゃくにさわります。
ミニゲームは、筋肉体操・釣り・ドラゴンシューターとやたら数が揃っています。ペットを育てるのもよくわからないです。
拠点のマップは広く、切り替えにロードを挟むので、面倒さが増します。
エンゲージをオススメできる人・できない人
エンゲージをオススメできる人・できない人は以下の通りです。
オススメできる人
オススメできない人
おわりに
エンゲージは細かな問題点が目立つものの、個人的には大好きな作品です。FEの本質である戦闘に関しては、こだわりを感じられしっかりと「手強いシュミュレーション」を味わえます。
FEは毎回様々な要素を詰めこみ、挑戦しているシリーズです。作品ごとに個性があり、好みが分かれるところが魅力のひとつです。
もし、ストーリーや世界観が重厚なFEをプレイしたいのなら、前作の風花雪月がおすすめです。
エンゲージをプレイして、私はこれからも、FEのファンで居たいと感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?