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6ヶ月•9ヶ月•1歳半: 昼寝の移行時と対策

米国APSC公認・IPHI公認 日本人初 乳幼児の睡眠コンサルタント、APSCアジア/インド代表 & IPHI妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント資格取得講師、Sleeping Smart®代表の愛波文です。 科学的根拠に基づいた乳幼児(小児)の睡眠の知識と日本人の生活スタイルに合わせたねんねトラブル改善方法をみなさんにお伝えしております。

赤ちゃんの睡眠は最初の1年半で何度も変化します。新生児から6ヶ月頃まではまだきちんとしたスケジュールが確立されていなく、日中は一貫性がない状態が続きます。

個人差はもちろんありますが、6ヶ月頃になると徐々に日中の睡眠が朝寝、昼寝、夕寝の3回なってきます。我が家は二人とも7ヶ月半でやっと朝寝・昼寝・夕寝の3回寝るようになりました。

そして9ヶ月頃に夕寝がなくなり、朝寝と昼寝の2回に移行していきます。8ヶ月後半から9ヶ月にかけて徐々に昼寝が2回になっていきます。

そして、1歳2ヶ月から1歳半の間に1回に移行します。

最終的には3歳半から4歳ぐらいで昼寝がなくなります。

個人差はあるため、必ずしも全ての子どもがこの決まった時期に日中の睡眠の移行が行われるわけではありません。今まで1歳8ヶ月で日中2回寝ていたお子さんや5歳でも昼寝が必要な子だっていますのでお子さんがこの通り睡眠を移行していかなくても心配はいりません。

たまに、1歳半や2歳で昼寝をなくしてしまう親がいらっしゃいますが、それは早すぎです!昼寝は子どもの成長に欠かせない様々な効果があります:

・記憶力アップ
・ストレスからの回復
・免疫力アップ

マサチューセッツ大学の研究チームが3歳~6歳未満の40人を対象にカードゲームの神経衰弱を使って昼寝をした場合と昼寝をしなかった場合の記憶力テストをおこないました。(参考文献はこちら)

★昼寝あり
午前中にゲームをし、昼寝を挟んで午後にもゲーム

★昼寝なし
午前中にゲームをし、昼寝をせずに午後もゲームに挑戦

両方とも、翌朝にももう一度同じゲームに挑戦してもらい、スコアを比較したところ、昼寝ありのほうが昼寝なしに比べ10%程度高いという結果が出ました。またこの傾向は翌朝にも続いていることが確認できました。

この研究から昼寝は子どもの記憶力など、パフォーマンスに欠かせないものであることがわかります。

さて、日中の睡眠の移行をする際、さらに考慮するべき点があります。子どもの活動時間(起きていられる時間)の長さは、子どもの機嫌や行動に大きく影響します。3歳ぐらいまではどんなに夜ぐっすり寝ていても昼寝は大切です。

日中2回(朝寝・昼寝)の睡眠がまだ必要な子の特徴:
・子どもが1歳未満
・寝かせようとすると最初は抵抗するけど、寝付くといつも1時間以上は寝る
・車やベビーカーで外出すると寝てしまう
・朝寝ができなかったとき、昼寝の時間までぐずったり、癇癪を起す
・外出時には昼寝をしないけど、自宅では2回ぐっすり眠る

2回→1回の昼寝に移行できるタイミング:
・2回中1回は寝てもすぐ起きてしまう。又は、全く寝ない
・朝から車やベビーカーで出かけても寝ることがない
・朝寝をしなくても次寝るまでずっと機嫌がよく元気でいる
・1回はちゃんと寝るが、もう1回は抵抗して寝ない

今日から1回の昼寝ね!といきなり保育者が決めてしまうのではなく、移行期間中はお子さんの眠い合図をみながら、柔軟に対応していきましょう。

移行期間中は2回寝る日もあれば、1回でも大丈夫な日がでてきます。もし1回は寝るけど、2回目は寝てくれない場合は「休憩タイム」を作ってあげましょう。ゆっくり本を読んだり、パズルをしたり、ベッドや布団の上でごろんとするのでもよいでしょう。

そして、移行期間中に早めの時間帯に昼寝をしてしまった場合、活動時間が長くなりすぎないように就寝時刻を30分から1時間早めて臨機応変に対応してあげてください。就寝時に疲れすぎていると、寝ぐずり、夜泣きなど様々なねんねトラブルが起こる可能性が高くなります。

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