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カシミール旅行記③「インドで雪?!グルマルグ編1」

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カシミール旅3日目!

この日はシバラトリというインドの祝日だった。
出張で来た友人のインド人旦那さんPさんもお休みなため、みんなでグルマルグに行くことにした。

グルマルグはスリナガルから西に50キロほど離れた場所で、なんとインドでスキーもできてしまうような雪山なのである。

インドで雪!インドでスキー!

雪を見慣れている私たち日本人でもテンションが上がってしまうパワーワード✨
インド中部出身のPさんの興奮度合いは半端ではない。


グルマルグに行くタクシーは前日にPさんが予約をしてくれたのだが、Pさんに「9時に出発するから10分前にはロビーにね!遅れないでね!」と念押しされた。

朝、色々準備をしていたらあっという間に8時50分…ヤバイ💦
慌てて階段を駆け下り9時ぴったりにロビーに到着!!!!

しかし、誰もいない。

あれ?
…5分待つ、10分待つ。来ない・・・。

あ、やられた。笑

インド人あるある。
「絶対に遅れないでねと言うやつ絶対遅れる説」ww

これは何もPさんだけではない。インド人はだいたいそうなのだ。

昔友達のダンスの公演を見に行った時、別のインド人友人がチケットを取ってくれていたのだが、その友人に「入場順でいい席をとれるから、絶対に開場の6時半には来て。必ずだよ」と口を酸っぱくして言われた。

当時勤めていた会社の終業時間は6時。
正直かなり厳しかったので「頑張ってみるけどもしかしたら10分くらい遅れてしまうかも」と言うと「絶対にダメ。そしたら席がなくなっちゃうんだから!!絶対に絶対に6時半には会場に来て」と叱られた。

当日、なんとか6時半に到着した私。
しかしそこに友人の姿はない。

連絡すると「ごめーん。まだ家!ちょっといろいろトラブルがあってー」と。

結局その子が会場に来たのは公演も始まった7時20分過ぎだった。
おい!席なくなるんちゃうかったんか!

インド人の絶対遅れないでね!!は信用してはいけなかったんだった…。笑
とりあえず一回部屋に戻りゆっくり化粧をし直すことにした。


ちなみに別にPさんに怒っているわけではない。
私も結構な遅刻魔なのだ。
でもだからこそ"絶対に遅れないでね"とプレッシャーかけてくるのはやめてほしい。笑


全員の準備が整い無事出発!
車内ではPさんがドライバーにヒンディー語で色々と話しかけていた。

ここカシミールの言語はカシミール語と、ウルドゥー語。一方デリーの言語はヒンディー語。
しかし多少の語彙の違いはあるものの実はヒンディー語とウルドゥー語はほぼ一緒の姉妹言語なので、ヒンディー語が普通に伝わるのだ。

1時間半ほどで、グルマルグの麓Tanmargという街に到着した。

まだ麓だが気温がスリナガルよりもずいぶん低い。

Pさんとドライバーが何やらもめているのでどうしたのかと聞くと、どうやらここから先は山道なので普通の車ではいけないという。

季節や天候によってはそのままの車で行ける場合もあるらしいのだが、今はまだ冬。
そしてこの日は朝から雨が降っていて、Tanmargに到着した時には雨はみぞれに変わっていた。

つまり我々はここで別の山道用の車をチャーターしなおし、乗り換えなければならない。その分のチャーター費は別料金だ。

Pさんはどうにかこの車のまま山道を登れないかドライバーに交渉していたが、ドライバーはかたくなに拒否。
激しいお金の攻防戦が繰り広げられていた。w

これは私の持論だが、インド人は関西人にちょっと似ている。

例えば新しい服を買ったとき、普通はその服がどれだけ高級か、価格が高いかを自慢するだろう。
しかし、関西人はちがう。
その服をどれだけ安い値段で買ってきたかを自慢する。

インド人もそうなのだ。
インド人の前で新しい服や物を買ったよーというと必ず「いくらで買ったんだ?」と聞かれる。
値段を答えると「僕/私だったらもっと安く同じものを手にいれられる」と謎のマウントをとられる。笑

さすが交渉文化の国インド。
関西も「少しまけてぇや」の文化なので、通ずるところがあるのかもしれない。

そういうことなので(どうゆうこと?)Pさんの気持ちも十二分にわかるのだが、冬の山道は危険だ。

金で安全を買えるならそれが一番イイ!
金ならある!!笑

Pさんを説得し山道用の車に乗り換えることにした。

しかし、この山道用の車も2オプションあり、他の人とシェアするか貸し切りかが選べるらしい。

Pさんが「どっちがいい?もちろんシェアの方が安いけど…」と聞いてきた。
最初の「車を乗り換える」という選択をPさんに納得してもらった手前、次の選択肢はなんとなく主張しづらい気持ちがあり、「うーん。まあどっちでもいいけど、このコロナの時期に、知らん人とあいのりか。ちょっと気になるよねー。」とあいまいな返事を返す私。

その時、目の前に一台の車が止まった。

その瞬間、10人程のむさくるしい男たちが一斉に、ものすごい勢いでその車に駆け寄り、我先にと飛び乗りだしたのである…。


「あれがシェアーだ」

ドライバーが言った。


…安全と快適は金で買おう!!
金なら出す!!!笑

そんなこんなで無事に私たちは山道用の貸し切りの車に乗り換えたのであった。


山道を登りだすと道路脇に雪が積もっているのが見えてきた。
みぞれもどんどんと白い雪に変わっていく。

私は90年〜2000年代の冬の懐メロJ-POPをかけた。
広瀬香美「promise」、TRF「寒い夜だから…」、T.M.Revolution「WHITE BREATH」、globe「DEPARTURES」…。

貸し切り車なことをいいことに熱唱する私と友人。

よく電車の中でインド人が爆音でボリウッドミュージック流してうるさいとかいう話を聞くが、この時は完全に私たちがうるさかったと思う。笑


しばらく上っていくと脇道にびっしりと私たちと同じような車が停車しており渋滞が起こっていた。

これ、道の途中でみんないそいそとチェーンを付けだしているのだ。

それもそのはず、登るにつれて道はどんどん凍結しており、何台かの車はスリップを起こして前に進めないでいたりした。
(マジで普通の車で挑まなくてよかった…ε-ホッ)

ただ問題はどの車も思いついたように様々な場所で停車しチェーンを付けだすので、道がふさがってしまい、既にチェーンを付けて準備ができている車も立ち往生しているようだった。

インドに他人の邪魔にならないところで停車してチェーンを付けるという概念はない。笑


結局山を登り切りグルマルグにつくまでには1時間ほどかかってしまった。

そして、そこには…
真っ白な世界が広がっていた…

カシミール旅行記④

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