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夫がコロナ、娘3才と家庭内感染を防げたけどつらかった(濃厚接触者体験記、東京都)

2020年11月に夫が新型コロナウイルス感染症検査陽性となりました。娘3才と私は濃厚接触者となりましたが、検査結果は陰性でした。家庭内感染を防げたことについて、準備しておいてよかったこと、実際にやったこと、濃厚接触者の当事者となり、あまり知られていないこと等を残しておきたいと思います。

都内在住のため、軽症だった夫は数日間の自宅療養の後、ホテル宿泊療養となりました。数日間発熱、一番高くて38度台まで熱は上がりましたが、概ね37度台で推移。味覚嗅覚ともに正常で、療養期間の後半はホテル療養しながら仕事ができるほどに回復していました。今のところ自覚できる後遺症もないようです。


タイムライン

X日:夫倦怠感を訴える(発症日)

X+1日:夫発熱(37度→38度台に上昇)。夫かかりつけ医に電話連絡のうえ受診。PCR検査を受ける。

X+2日:夫陽性判明。私と娘が濃厚接触者確定、PCR検査を受ける。

X+3日:私と娘陰性判明。夫微熱続く。

X+4日:夫微熱続く

X+5日:夫ホテル入所、微熱続く

X+6〜9日:娘保育園に登園できず、私保育と在宅勤務の完全ワンオペ生活。夫は解熱、ホテルで仕事ができるほどに回復。

X+10日:夫ホテル退所

X+11日:動きなし

X+12〜16日:娘保育園に登園できず、夫が保育担当、私在宅勤務の生活

X+17〜18日:動きなし、外出自粛および健康観察期間終了


準備しておいてよかったこと

1. 夫が体がだるい、ちょっと熱があるかも・・・という時点で寝室や食事時間を分けていた(隔離)

→過去に私がインフルエンザになった経験から、この家庭内隔離をすぐ取れる態勢にありました。


2. かねてからペーパータオルを使用し、タオル等を共用していなかった

→コロナが流行する前から衛生上、ペーパータオルを常用していました。


3. 紙コップや紙皿、割り箸等を備蓄していた

→隔離した夫に食事を出す(ドアの前に置く方式)のに使用。コロナ流行前に友人と集まって行なったお花見の際の残りの紙皿等を流用しました。


4. アルコール消毒液、ゴム手袋のストックがあった

→手で触れる共有部分の消毒を毎日行う必要があり、手元にアルコール消毒液とゴム手袋があって助かりました。消毒液は在庫が安定し、通常価格に近くなっていた時に薬局で買っていたものが家にありました。コロナ感染が発覚してからは、ネットで箱で買い足し。ゴム手袋は掃除用に購入していたものを流用しました。


5. 普段から食料品の宅配サービスを利用していた

→食材宅配を利用していたため、外出して買い物をすることは回避できたのですが、看病や子どもの世話で調理の時間がないため、セブンミールや高齢者用弁当宅配をプラスで利用しました。UberEatsの置き配も便利だと思います。


6. 自宅でマスクを着用していた

→アレルギーと乾燥対策で自宅でも私はマスクをしていることが多かったです。夫の感染がわかってからは毎日自宅でマスクを着用していました。

7. 家族全員のインフルエンザ予防接種が完了していた

→今年は早めに情報収集を行い、接種開始からすぐに家族全員の接種が完了していました。コロナ感染日以降に予定を組んでいたら、全て飛んでいたと思います。

8. コロナ関連(感染者、濃厚接触者になった場合)の会社の規程を読んでいたため、すぐ報告できた

→感染者、濃厚接触者になったら会社や保育園に状況を報告する必要が出てきます。事前に会社の規程を読んでいたため、上司等にスピーディーに報告できたと思います。


9. 出社した際にランチを一人で食べていた、常にマスクを着用して会社の人と話していた

→こんなご時世なので、ランチはあまり人と行かないようにしていました。マスク着用はもう当たり前になっていました。そのため、会社での私の濃厚接触者が発生しませんでした。


10. PCR検査体制が整った区に住んでいた

→区で検査センターを有しており、夫は病院に受診した翌日に検査を受けられました。私と娘は夫の検査の翌日には検査が受けられました。検査結果は翌日に電話で伝達されました。なお、保健所からの連絡は全て電話でした。



実際にやったこと

夫を一部屋に隔離、夫はその部屋からトイレ以外出てこない。トイレは使ったら夫が自分で消毒。お風呂はホテル療養開始まで入らず。夫の食事は紙皿に置いて部屋の前に置くスタイル。

娘が夫の部屋に行かないよう一人にしない。

私はマスク着用、換気を行い定期的にドアノブや電気のスイッチ、床などを消毒。

1日2回の検温。

厚生労働省の以下を参考に実践しました。

ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~



あまり知られていない(と思われる)こと

感染者ではない家族の負担が大きすぎる(特に乳幼児がいて、もともと両親二人で家事育児を分担している場合)

夫は体調不良を訴えてから5日でホテルへ移れましたが、その間夫の看病、ワンオペでの子どもの世話、毎日の家事に加わった除菌、外出しないで済む食事の調達、在宅勤務とやることが倍増。

夫がホテルに移った後は、保育園に登園できないため、ワンオペで娘の世話しながら在宅勤務。長時間一人では遊べないため、私が打合せ等の時はNetflixでアニメを見せるかおやつをあげる、または夫や祖父母とのLINE電話をしていました。長時間テレビを見せることに対し、罪悪感はつのりましたが緊急事態のため、やむなしと自分に言い聞かせました。

娘は夫のコロナ感染およびホテル療養について説明したらかなり事情を飲み込んだようでしたが、たまに夜は「パパに会いたい」と泣いていました。ただでさえパパに会えないのを我慢しているから、それ以外はなるべくわがままを聞こうと、娘の「〜したい」を叶えるようにしていました。

人生の緊急事態なので、仕事は休めるなら休んだほうがよいと思います。私は比較的すぐにPCR検査を受け、結果も翌日にわかり、陰性だという安心感の中過ごせましたが、「今私は絶対に倒れられない」という気合いだけで乗り切った気がします。ここに「自身がいつ発症するかわからない、喘息持ちの娘に感染していたら、どうしよう」というようなプレッシャーが加わったらもっとひどい精神状態になっていたと思います。


感染者本人より濃厚接触者の方が外出自粛および健康観察期間が長い

夫の場合は感染者は発症〜ホテル退所が11日間

娘と私は夫との最終接触日(ホテル入所日)を起点に14日間でしたが、夫のPCR検査日から大事をとって外出自粛しているため、数えると、実質18日間

2020年5月の緊急事態宣言で外出自粛には慣れていましたが、娘が保育園に2週間行けないのと、後に述べる通院できないのが痛かったです。

中国等での隔離期間が21日間に延長されていることを考えると、この期間は今後長期化する可能性がありますね。


濃厚接触者となった場合、長期間(2週間以上)病院に受診できない

病院によって方針が違うと思いますが、娘がかかっている病院では2週間以内に新型コロナウイルス感染者と接触した可能性がある方は受診をお控えください、となっていました。期間中にアトピーの薬がきれてしまい、家族全員外出できないため、娘の皮膚の状態を悪化させてしまいました。


PCR検査を受けるかは任意

夫はPCR検査を受けますか?と医師から言われたそうで、PCR検査を受けるか受けないか選択できたそうです。そこで受けなければ陽性判定も出ないため、軽症なら自宅にこもればわりと普段通りの生活が送れてしまうと思いました。夫はその後区から「コロナ陽性となったため、人と会う仕事はできません」のような通知が届いていました。

そもそも軽症であれば受診すらしない可能性があるため(友人でもコロナっぽい症状があったが受診しなかったという話を都内在住の数名から聞きました)、感染者数は毎日発表されている数値よりもっと多くいるのでしょう。


PCR検査会場に行く際には公共交通機関が使えない

行き帰りともにタクシーで向かいました。タクシーの窓は全開でお願いしました。区ではPCR検査会場の場所を非公開としており、受ける人にしか通知していませんでしたが、タクシーの運転手さんはその目的地がなんなのか、ご存知なように思いました。都内在住ならUberやGO、JapanTaxiのようなタクシー配車アプリとクーポンを入れておくと便利かもしれません。私の場合は「今日の午後から検査受けれますか!?」みたいな急展開になったので、バタバタでクーポンを使う余裕はありませんでした。


周りの人たちの反応

保健所の人はとても親身でした。電話口で夫の体も気遣ってくれましたし、私たちの検査結果を伝える時は「陰性でよかったですね・・・!」と一緒に喜んでくださいました。

会社のチャットで個人的に夫の体調を気遣うメッセージを送ってくれた同僚、私が濃厚接触者となったことにより、出社の予定が強制的に在宅勤務になったけれど「感染者数が増えているのでむしろ在宅でラッキーです」と言ってくれた同僚のことは忘れません。

私の勤務先からは上層部への報告のため、検査日、検査結果などかなり細かく報告を求められました。興味本位で聞いてきた関係のない社内の人に私の夫のコロナ感染を知らせた人たちもいました。会社は私の許可なく夫の病状を社員全員が見られるイントラネットの掲示板に記載しました(感染への警戒を強める意味で良かれと思ってのことだそうですが)。

私の両親、妹は夫のことも私のことも心から心配してくれました。妹は自分の夫が濃厚接触者となった経験があったので、相当共感してくれていました。その一方で、夫の両親は私と娘が陰性と判定されていたのに、「いつ発症するんだ」と面白半分に言っていたようで、夫は会話の途中で電話を切るほど腹を立てていました。


最後に

在宅勤務やPCR検査については、環境的な面で恵まれていましたが、過去にインフルエンザに感染し、家庭内隔離経験があったことや、必要な物品を備蓄していたのが奏功したと思います。

夫がコロナに感染し、軽症で済んだのはたまたまだと思いますので、私自身は手洗い・マスク等基本的な感染対策を引き続き徹底しながら生活していきたいと思います。

今振り返ってみると、濃厚接触者の期間中は普通の状態では動じないような些細なことで涙したりとかなり精神的にきていたと思います。もし感染者、濃厚接触者になってしまったら、信頼できる誰かに話してみるのがよいのではと思います。(とは言っても私も期間中は両親と妹にしかつらいと言えませんでした)

子育て中のみなさまに役立つことを願って。



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