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かいがいしく世話をやけない話

「お前は気が利かない」
そう言われて育ってきた。そう、私は気が利かないのである。
そう思って生きてきた。
けど、社会に出てみて思った。
あれ、仕事の面では、そんなことないよ・・・どちらかといえば、うるさがられるくらい、いろんなことに気がつく。

母が言っていたのは
お前は(家の中で世話焼き係の女としての役回りについて)気が利かない
ってことなんだと気づいたのは、社会に出てからだった。

若い頃は、それが欠点だとも思っていた。

今から20年くらい前、飲み会ではサラダ女がいい女と評価されていた。
大皿料理をみんなの分、手際よく分ける女のことである。

取り分けるタイミング、量、みんなへの声掛け。
そして、空いたグラスへの気配り。それがサラダ女の得意技。

わたし?できるわけがない。わたしなのだから。

サラダ女は男の前では気前のよいふりをする。
が、女同士、もしくは、印象良く見せたい男がいない場合、ただの小姑になる。

〇〇さんさぁ。もっと周りのことみて。
すこしは、あなたも動いてよ。

っていうのを直接口に出す場合と、間接的な態度にだす場合がある。

若かりし頃の自分は、そういう雰囲気に気づくと申し訳無さを感じてた。

私って、ほんと気が利かないだめなやつ。。。
無神経なだめ女。

だから、20代の頃は気が利く女を偽装したこともある。
彼氏に対して、マメに身の回りの世話を焼いてあげたり。柄にもないことをしてみたり。

けど、続かない。それは本質じゃないから。サステナブルではないのだ。

なんか、全然、最近、手抜いてない?

って言われて、また落ち込む。

今の私ならこう言う。

サラダ女には、
「好きで世話やいてんなら、人にあれこれ指図するなよ。こっちは、お前のとりわけたサラダは食べなくてもいいし、自分のことは自分でやるよ。」

だし

やってもらって当たり前な男には
「あぁ、これが本性だよ。自分のことは自分でやりな?
それすら見抜けなかったのかよ、女見る目無いな、目ふしあなか?」

である。

最近はもうサラダ女いないのかなと思って、20代の女子に何気なく状況を聞くと同棲している彼氏の世話を全部こなしながら仕事していたり、共働き夫婦でも食事は女子が作っていたりする。

サラダ女は健在らしいし、それが愛の証拠らしい。
しらんけど。

そんなサラダ女達も子どもが生まれると一気に変わる。

は?なんで、私ばっかりやってるわけ?少しは、家事手伝ってよ。

となるのだ。

で、男の方はというと、妻は子ども産んで変わっちゃったよね。なのだ。

子どもが生まれてもうまく行ってる夫婦を見ると、女性が高レベルなサラダっぷりを発揮し続ける超人か、最初から分担しているかのどちらか。

こういう役回りを要求するのは、何も男性だけでない。

自分より若い女子にそういう役回りを求める高齢女性も割といる。

うちの母も孫の姪っ子にそういうのを求めていたことがあって。
私は見ていてイライラして言ったことがある。
今は男の子もそういうのできないとね。と甥っ子にも手伝わせるように仕向けたけど、姪と甥の母親である妹もその時は、あまり乗り気じゃなかった。

ただ、昨年会ったときは、食事を運ぶのを義弟も甥っ子も手伝ようになっていて少しホッとした・・・

叔母は、ジェンダーについての本を中学入学時に姪にそっと送った。女子の権利について、知っておいてほしかったから。。

送った本→おしえてジェンダー! 「女の子だから」のない世界へ

いいのだ、気が利かない女で。
サラダ女じゃなくても生きていけるし、仕事にはほんとに関係ない。
ただ、長く生きてきて思うのは、家事は最低限できた方が、生活の質はあがる。男女問わず、自分の身の回りの世話くらいはできる程度に必要。
料理はできなくとも、掃除機かけて洗濯機回せれば。
え?そんなの簡単でしょ?って思うでしょ。

男子の中には、実家をでるまで、洗濯機の使い方さえ知らない子もいる。。。
で結婚して妻が里帰り出産でいなくなり、洗濯すらままならないという、およそ文明社会に生きてるとは思えない人もいる。
それは不幸な話である。実家にいるときに、家事くらいさせてあげようよ、可愛い子供ならと私なんかは思う。

はぁ・・・かいがいしく世話なんて焼きたくないよ。
うちの母はそれが喜びだし、サラダ女達はそれでアピールするんだろうけど、私は違うもん。
お金さえあれば、執事を雇いたいくらいだよ。
ほんと、セバスチャン、契約しに来てくれ。。。

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