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気に入った音楽で小説を書く

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個人的に気に入った曲に、ちょっとしたショートストーリーを書いてみる、というのを始めてみました。日本の曲や外国の曲もあり、あくまでイメージ主体で自由に書いていこうかと思っています。
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【短編ライト文芸】『人生の針』

「あなたが改善するべきところはまず3つあります」 恋愛というものは大抵、どんな場合におい…

雨宮崎
3年前
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【ライト文芸短編】『夏夜のマジック』

 きみを待っている間、ぼくはひとり観覧車に乗って時間をつぶそうと思ったんだ。  その日は…

雨宮崎
3年前
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アオミ

”冷えたネックレスをつけて彼の暑さが和らいでいる間は、彼は機嫌がよくなり、その1日はわた…

雨宮崎
4年前
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【短編】女は変わる

 左の手首に一本、まっすぐ引かれた傷がある。   いったい、いつこんな傷ができたのだろう…

雨宮崎
4年前
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【短編】リスミー

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雨宮崎
4年前
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マスカットと白いお皿

 マスカットと白いお皿はとてもよく合うと思う。   ところでわたしの甘い『昨日』について…

雨宮崎
5年前
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ところによって、

 そういえば明日は雨だという。  車のカーラジオが教えてくれる天気予報が、無意識にハンドルを握っている俺にそう教えてくれる。高度な反射能力で何も考えずに運転している俺にそのラジオは語りかけてくる。  明日は雨でしばらく続くでしょうと。  それからなんとなく、自分が車を運転していて、今は仕事が終わって家に帰っている途中なのだと自覚が持てるようになってきた。ここ最近はその高度な反射能力で日々をなんとなく過ごしているだけな気がして、久しぶりに俗世に帰ってきたような感覚になった