見出し画像

映画「エスター」感想 ※ネタバレあり

Amazon Prime で「エスター」観ました。
ホラーは苦手なのですが、これはサスペンスホラー? サイコホラー? なのでだいじょうぶでした!
霊的なの以外はおおむねだいじょうぶみたいです。

テレビの映画紹介で観たエスターの続編が気になり、とりあえず最初のやつ観ておくかーと、だいぶ前にウォッチリストに入れておりました。

備忘録的に綴ります。


ざっくり内容覚書

妻のケイトが死産を告げられるシーンで始まります。
ちょっとグロい。
死産って言われたのに赤ちゃんの泣き声がしたり、夫のジョンが冷笑していたりと、不気味で不快なシーン……これは、ケイトの夢でした。
ケイトはアル中でカウンセリングに通っていて、先生に悪夢のことを話しています。

死産してしまった喪失を埋めるようにして、エスターを養女として迎え入れるわけですが。
生まれてくる子どものためにいろいろ用意していたとはいえ、すでに二人の子どもがいるのに養女迎えますかね?
日本とは感覚が違うのかな。
一家は夫婦と兄、妹の四人です。

ともかく家族になったエスター。大人びていて礼儀正しく、よい子。
しかし学校では浮いた存在で、いじめられる。
そしていじめっこを遊具から突き飛ばし大けがをさせる……。
まぁ変わりもんだからっていじめちゃダメですよ。

エスターは一家の末っ子、マックスを手懐けます。
最初はほんとに懐いてた感じのマックスですが、シスター殺害を手伝わされたあたりから、恐怖から支配されている感じかな。

このマックスが、かわいい。
耳が聞こえない子なのでおしゃべりもしないのですが、表情や仕草が雄弁で、とてもかわいらしいです。

兄のダニエルは両親、とくに父がエスターに関心を寄せるのをおもしろく思っておらず、学校でも彼女の兄ということでからかわれたりするのですが。
おもちゃの銃で鳩を撃ってしまい、エスターから「かわいそうだからとどめを刺せ」と言われます。できないダニエルに代わり、エスターが鳩を石で殴り殺します。
明確にエスターの異常性に気づくところです。

さてなんやかんや(なんやかんや)あって、妻のケイトはエスターに不信感を抱き彼女の過去を調べ始めるのですが、夫のジョンはエスターを無垢な少女と信じて疑わない。
エスターを疑う妻のほうに猜疑心を募らせる始末。
ええい、妻の言うことを信じろーーーーー!!!!

と、思うのですが。
妻ケイトはアル中で娘のマックスが池で溺れているのに気づけなかったという過去があり。
ジョンがケイトを信じ切れない背景になっています。
まぁ、ジョンは浮気してたけどな!!!

いっぽうおりこうマックスはエスターの凶行をお絵かきに残していて。
それを兄に見せます。
ダニエルは、エスターの犯罪の証拠がツリーハウスにあると知り、それを回収しようと試みるも、エスターに殺されそうになる。
炎に包まれたツリーハウスから落下し気を失ったダニエルにとどめを刺そうとしたエスターでしたが、間一髪で我らがマックスがタックルして阻止したのでした。
ケイトが気づき、ダニエルは救急搬送されます。
マックスすごい。えらい。ダニエルもがんばった。

昏睡状態のダニエルをさらに狙うエスター。ケイトはエスターがやったと訴えるも信じてもらえず、鎮静剤を打たれ、病院に留まることに。
ジョンはエスターとマックスを連れて帰ります。
邪魔者がいないのをいいことに、エスターはメイクをし、大人びたドレスを着てジョンを誘惑します。
しかし、ジョンはもちろん、エスターを少女としてしかみておらず、応じるはずもなく。

そのころ、ケイトの元に電話が。調べていたエスターの正体がついにわかったのでした。
彼女は下垂体性機能不全を患っている、実年齢33歳の大人の女性でした。
しかも精神にも問題が。簡単にいうとサイコパスです。
過去に養女として暮らしていた家庭を崩壊させ、放火しています。

エスターは大人の女性として、男性と性交渉を持ちたかったようです。
しかし、少女の姿ではそれは叶わない。
欲望を満たされない彼女は、凶行に及びます。

真実を知ったケイトは病院を抜け出し、家に駆けつけますがジョンはすでに殺されていました。
マックスを守るため、ケイトはエスターと対峙します。
凍った池でもみ合いになったところで、母を救おうとマックスが落ちていた拳銃を拾い発砲。
ええ? そんなちっこい身体で発砲してだいじょうぶ? とか細かいことを気にしている場合ではありません!
弾は凍った池に命中? し、二人は冷たい水の中へ落下。
もがきながらも、なんとかケイトはエスターを蹴っ飛ばし生還。
エスターはみな底へ沈んでいきます。

感想とか疑問とか。

怖いは怖いけど、どちらかというとハラハラでした。
飽きさせず、それぞれの心理の描き方も丁寧でおもしろい映画でした。

ちょっと不思議というか疑問というか。
エスターの異常性はともかく、病のせいで成熟しない肉体を持っている彼女が、大人の女性としての性欲を持ち得たか? というところ。
ホルモン異常で肉体が成熟しないのなら、肉体的な欲求も大人並みではないような気も。
どちらかというと肉欲ではなく、大人として扱われたい、大人の女性として愛されたいという精神的な餓えが元になっているのかなぁ。
残虐な性質がなければ、病を理解して愛してくれる人は現れたのではないかと思うと、問題なのはやはり肉体ではなく心のほうにあったと解釈するかな。

余談ですが、最近「推しの子」を読みまして。
精神状態は肉体に影響されるという描写があり、それはなんとなくそうかもなぁ、って思うのです。
幼い肉体には相応の幼い精神が宿っているほうが、生きやすい。自分を守るためにも。たぶん。
まぁ、コナンくんは、実年齢は高校生なので頭脳はともかく精神は大人とも言い切れないからそれほど違和感はないよねぇ。

ともかく、子どもたちが無事でよかった。
こういう映画だから、全員殺されてエスターは行方不明、また別の家庭で養女になり不敵に微笑む……みたいなラストでもアリっちゃアリ。
だけど、子どもたちを殺さなかったところに、制作側の良心を感じる……。

雑なまとめ

まぁアレですよ。
いくら不幸だからって、他人を不幸にしてはいけないですねってことですよ。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?