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読書記録(2)『本日は、お日柄もよく』原田マハ

あっという間に2月も最終日。
noteに「今日執筆すれば5ヵ月連続更新記録が達成できますよ」と教えてもらい、慌てて書きました。

今回も読書記録です。
数年前に親しい友人に勧めてもらい読んでいたのだけど、
先日久々に読み返して「言葉って、いいな」と改めて感じた一冊。



本日は、お日柄もよく 原田マハ

2013年に発売された原田マハさんの作品。
原田さんの作品は、旅屋おかえり (集英社文庫)スイート・ホーム (ポプラ文庫)カフーを待ちわびて (宝島社文庫) を読んだことがあり、どれも人の心の動きが優しく温かく描かれていて、忘れがちな大事なことを思い出させてくれる本ばかり。
その中でも、一番好きで、ページをめくる手が止まらなかったのが「本日は、お日柄もよく」
心に残ったことばを、つらつらと書き留めていきます。

心に残ったことば

お父様も愛されたフランスの作家、ジョルジュ・サンドは言いました。
あのショパンを生涯苦しみながらも、愛し続けた彼女の言葉です。
「愛せよ。人生において、よきものはそれだけである」
本日は、お日柄もよく、心温かな人々に見守られ、ふたつの人生をひとつに重ねて、今からふたりで歩んでいってください。たったひとつの、よきもののために。

こと葉が久美さんとはじめて出会った時の、久美さんのスピーチ。

人生って、たくさん悩んで失敗して苦しむこともあるけれど、根本にある想いは「愛したい」なのだろうな。
自分を愛したいし、家族や友人など周りの人を愛したい。
選択に迷ったときは、どの道が最も自分や周囲の大切な人を愛することに繋がるのか、この視点を忘れずに持ち続けたいなと気づかせてくれた言葉。


「変わる」と言うことがどういうことか。今、お見せしましょう。
そして、指先でホワイトボードに書かれたGの文字の右端を擦った。
GがCになったって事は…。
「ほらね『CHANGE』はちょっと変えるだけで『CHANCE』になるんですよ」
 :
「大切なのは、これ。GをCに変える、ちょっとした勇気を持つことです。」

こと葉のライバル?ワダカマくんのプレゼン。

変わるって、怖いしエネルギーが要ること。
でも、変化の速い今の社会においては、「変わらないことがリスク」「変わらないことは遅れること」とよく耳にする。
私も新卒で入った会社を「変えた」ことで、今新しい出会い・経験・気づき(CHANCE)でいっぱいの毎日。
踏み込むまでは怖かったけど、踏み込んでみたら変えてよかったと心から思っている。

「ねえ千華。変わることって、良いことだと思う?」
唐突にそう訊いてみた。千華は、一瞬キョトンとしたが、にこっと笑って答えてくれた。
「うん。良いほうに変わるなら、変わるほうがいい」
千華の言葉は、何気なくて、自然だった。だからこそ、真理があった。
変わる方が良い。いいほうに変わるなら。
そのフレーズに、私はなんだかすごくぴんときてしまった。

お嬢様でかわいらしい千華ちゃん。でも、実は芯が強くて物事を深く考えている。
友達同士って、なんでも話せてしまうから言葉が多くなりがちだけど、
この時の千華ちゃんみたいに、シンプルに・本質だけを口にするっていいな。
友達の何気ないけど芯のあるひと言って、ずっと自分の記憶に残って、ふとしたときに背中を押してくれる。


「恵里の中に小さな命が宿ってだってわかった時・・・ようやくわかったよ。どうして親父があんなに必死になって、世の中を良くしたい、子供やお年寄りや弱者に優しい世界にしたいって言ってたのか。・・・俺のため、だったんだよな」

立候補する決意を固めた厚志くんの言葉。
みんな、突き詰めるとここなんだよねきっと。
自分が愛する子どもに苦労してほしくない、楽しく生きて欲しい。

運転者』という本を読んだ時も思ったけど、自分の運を、子どもやその次の世代に残していきたいと思う気持ち、それが自分が行動する動機になる。

まずは、家族・友人など身近な人を幸せにしたい。
次は、村や地域。
そして、国。

それが、竹田和平さんが言う「動機を大きくしていく」ことなんだろうな。
(急に話が飛んでしまったけど、詳しくは、本田晃一さんの『日本一の大投資家から教わった人生でもっとも大切なこと』に書いてある。こちらもおススメ)


安定した仕事で幸せになるのもいい。けれど、人を感動させ、幸せにする仕事につけるのはもっといい、って。
ねえ、久美さん。スピーチライターっていうのは、そういう仕事じゃございませんこと?

こと葉のおばあちゃんは、つくづくかっこいい。こういう人に叱られ・見守られて育つのも憧れる。
意志を持った、強くしなやかな女性になれそう。

困難に向かいあった時、もうだめだ、と思った時、想像してみると良い。3時間後の君、涙が止まっている。24時間後の君、涙は乾いている。2日後の君、顔をあげている。3日後の君、歩き出している。
どうだい?そんなに難しいことじゃないだろ?だって人間は、そういうふうにできているんだ。
止まらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかり向いているわけにもいかない。歩き出すために足があるんだよ。

厚志くんのお父さん → 久美さん → 厚志くん に受け継がれた言葉。
大切な人を失った、大きな悲しみに直面した時、それでも人間は時間をかけて歩き出せる。そういうふうにできている。
(この先は書かれていないけど、)
「だから、今は思いっきり悲しんでいい」そう言っている気がした。
まずは、今の自分を無条件に受け止めて味わう。
そうすれば、時間と共に前を向ける。

先々のこととか、周りの人のこととか、色んなことが気になるしそれも大切だけど、まずは
「今の自分」を大切にすること
それが、「たったひとつの、よきもの」、つまり「愛すること」の根本なのかもしれない。


同じ本でも、読むときによって感じ方が違って、本って何度も楽しめるなぁと改めて感じた一冊でした。
元気を貰いたいときの「お守り」として、大切に持っていたい本です。

この記事は、初めて音声入力で下書きしました。
その速さに驚き。

とくに本や記事から引用するときは、圧倒的に時間短縮になる!
テキスト入力だとスマホではやりづらいけど、音声入力ならスキマ時間にちょこちょこできる。
PCなかなか開けない人には本当にお勧めだなと実感しました。
なにより、「あとで編集するし、まずはなんでもいいから残しておこう」と気楽に入力できるのが自分にとっては合っていると感じた。
「声に出す」ことで自分の記憶にも定着する気もするし、これからも上手く使い分けていきたいなと思いました。

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