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2月季。

朝、静電気をくらいながら車を降りる。

あられが降った。
雪のように白く積もってはいないように見えるのに、歩くと地面からしゃりしゃりと音がする。
あられはすごく跳ねるので、掴むのが難しくキャッチする遊びをしていたら会社についていた。
というのは嘘。冷たく寒くてすぐに飽きてしまった。

ひとり遊びが得意な人はかわいいなと思うので、ひとり遊びが得意になりたい。


軽い気持ちでいった病院で、手術が必要な症状が見つかった。
病院で治療を受けるなんて小学生の頃の水いぼ以来だったけれど、
大人の治療はそんなに安くはなかった。

私はもう、こういったことくらいのお金を自分で払えるようになったんだなと思った。
それだけで心が救われた。

翌日会社を抜け、治療を受けて病院を出ると、目の前に美術館行きのバスがあった。
そのまま術後のぼやけた視界でバスに乗ってエッシャーを観た。
会社には「安静にといわれたので戻れません」と連絡を入れた。

こんなことが、ずっと許されるような人生でいたい。


ありがとうございます。貴方になにか届いたのなら、それで幸せです。