見出し画像

全ては「祈り、畏れ、捧げた」ことから始まった。

東京国立博物館にて開催中の『古代メキシコ展』へ行って参りました。
博物館という枠を超えて、場所や時空も超えて、古代メキシコの世界へどっぷり浸かることが出来ました。

気分はミステリーハンター。
現地へ行った気分になれる、工夫された展示会の構成となっていました。

メキシコには35もの世界遺産があり、なかでも高い人気を誇るのが、古代都市の遺跡群です。前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻までの3千年以上にわたり、多様な環境に適応しながら、独自の文明が花開きました。本展は、そのうち「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つの文明に焦点をあて、メキシコ国内の主要博物館から厳選した古代メキシコの至宝の数々を、近年の発掘調査の成果を交えてご紹介するものです。普遍的な神と自然への祈り、そして多様な環境から生み出された独自の世界観と造形美を通して、古代メキシコ文明の奥深さと魅力に迫ります。

東京国立博物館 展覧会HPより

3,000年以上にわたり、「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」の文明が栄えますが、この独自の世界観は自然、神々、そして死後の世界に対しての「祈り、畏れ、捧げた」ことで生まれたのであろうと感じました。

祈るため、畏れ多いものだからこそ、そして捧げるために、
最高の素材と技術を結集させて文明が栄えていったのだと展示品から読み取っていきました。

何より、とってもユーモラスなんです。(大変失礼な言い方ですね)
でも、とっても親しみがあり、神々と距離感が近いような印象を持ちました。そんなユーモラスな展示品の中から気になった作品をいくつかご紹介していきます。

「土偶」なんです。日本の土偶をイメージしがちですが、マヤ・ブルーのきれいなこと!
「夜空の石板」アステカ文明:想像力は計り知れません。ロマンティックですね。
テオティワカン_羽毛の蛇ピラミッドの再現展示:パネルであっても実物大の威厳は凄まじい!
テオティワカン「奇抜なアヒル(Pato Loco)」:装飾品の貝殻は交易品であった可能性が高いそう。
マヤ「織物をする女性の土偶」:装飾からして、当時織物をする女性は高貴な身分の女性であった可能性が高いそう。先っぽに鳥が。夢の国のような世界観。
マヤ:猿の神様は実に賢そうな表情をされています。私自身、申年のためこのお守りがあれば即買いしていることでしょう。
マヤ「石板」:実はこちら文字を表しています。よ~く見ると動物のような顔が彫られています。
アステカ「鷲の戦士像」:個人的にはこの角度、横顔がベストポイントです。

巨大な計画都市、巧みに交易と戦争を繰り広げ、そして巨大な国を築いていった文明は、遺跡も巨大ながら、一緒に埋葬された副葬品は豪華絢爛です。

交易品で得た装飾品やその土地で産出された高価な素材をふんだんに取り入れた副葬品は目を見張る豪華さです。

そして目玉の展示品がこちら。

マヤ「赤の女王(レイナ・ロハ)」:マヤの黄金時代を築いたパカル王の妃。赤い辰砂(水銀の原料)に覆われて発見されたそう。

展示室も大変凝った作りになっているので、ぜひ体感してほしいです。

この「赤の女王」に会えて、底知れぬ達成感がふつふつとわいてきました。
「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」については、これまでも世界遺産や民族文様などを勉強するときに必ず目にする項目だったため、今回の展示を通して少し距離を縮めることが出来たのではないかと思います。

今も現地で生活する人の「祈り、畏れ、捧げる」文化が続いていると思うととても感慨深いです。
いつか必ず現地へ足を運び、肌で文明を感じることが出来ますように…!


東洋館のテラス席はお気に入りの場所♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?