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660文字のフリ

1957年、日本は初めて南極大陸へ調査隊を送り込みました。当時はもちろんスマホやLINEもなく、まして南極。唯一の通信方法は電報で、長い文章を送ることはできません。そんななか、調査隊員の妻が遠い日本から送った電報は、たった3文字だったと言います。その内容は「あなた」。その言葉を見た隊員は、その瞬間に号泣したといいます。そして、必ず無事で帰ると心に誓ったそうです。

この話、YouTube Shortで偶然流れてきたのを見ただけなので本当かどうかは知りません。ただ真偽なんてどうでもいい。僕はこの話を知って、日本人で本当によかったと思ったのです。こんな限られた文字数で、しかも婉曲的な表現で、大いに心を震わすことができる。なんて素晴らしい文化を持つ国なんだろう。日本に生まれてよかった!

今や何文字だろうが、写真だろうが動画だろうが、自由自在に届けられる時代。それなのに、どうしてこんなにも意思疎通がうまくいかないのでしょう。例えばあなたは、ビジネスメール1本に、どんな思いを込めていますか。「大変お世話になっております」から始まるそのメールは、相手にわかるよう、工夫されていますか。伝えようとしていますか。僕はこの週末、しっかりと反省しながら、この一週間送ったメールを振り返って読んでみようと思います。ビジネスマナーがどうこうとかより「伝わる」ことの方がよっぽど大切です。伝えるために書くのだから。伝えるために送るのだから。大丈夫。私たちの母国語は、たった3文字であふれんばかりの想いを伝えられる言葉です。きっと私たちならできるはずです。がんばりましょう!Yes we can!

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