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共感だけじゃない

曲を聴いて、何を感じるかは人それぞれだと思う。

私は音楽鑑賞が趣味で、よくライブ会場に訪れる。
ライブが終わった後は、同じバンドのファンのツイートをTwitterで漁り、ライブ後の熱い気持ちを共有し合う。

それが私のルーティンだ。

よく目にするのは、「〇〇の曲を聴いて、ある人を思い出して苦しくなった。」というツイートだったり、「この前振られた元カレのことを思い出した」というツイート。

そんなツイートたちを見る度に、ある特定の人を思って感傷に浸ることが多いのだろうと考える。

なぜ私がこんなにも他人事なのかというと、如何せん私には恋愛経験が全くないからだ。

Saucy Dogの曲を聴いても、特定の人の記憶など蘇らないし、My Hair is Badの書く歌詞を眺めても、当然同じような経験などしたことがないのである。
となると、恋愛ソングを聴いて、悲しい思いをしたり、苦しい気持ちになったりすることも当然無い。

しかし、私はライブ鑑賞をした後は決まって必ず、私もこのアツい音楽を奏でる人達のように全力で何かを徹底的に追求し、努力してみようと奮起する気持ちが湧いてくる。

彼らの奏でる音や、紡ぐ歌詞で人を魅了することが出来ているということは、その本人たちが、ひとつの目標に向かって諦めずに追及し続けた結果だと思うのだ。何が至らないのかそのままにせず、分析して行動に起こすことは、日々の生活で当たり前に出来ることではない。

だからこそ、私は彼らの音楽を生で浴びた後には必ず、何か奮い立つ気持ちになる。

私は先日、sumikaのライブに訪れ、厚い壁に立ち向かっても諦めずに打開策を考え、ここまで邁進してきた彼らの姿に感銘を受け、同時に自分の素行を見て不甲斐なさを覚えた。

自分への情けなさを痛感し、涙したことをよく覚えている。

恋愛ソングで共感を得たり、傷ついた心に寄り添う役割だけでなく、リスナーの気持ちを掻き立てる力が音楽にはある。

そんな気持ちが湧いてくる度に、彼らの音楽”だけ”に惚れたわけではなく、人柄にも惚れ惚れしているのだと感じる。

音楽に活力を貰うとは、このことなのだろう。

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