見出し画像

メキシコ留学記:おばあちゃんとUber騒動

Oi, tudo bem? 
Hola, ¿cómo estás? 

こんにちは! Ayu Melloです。

今回はメキシコ留学3−4週間目くらいに起きた「おばあちゃんとUber騒動」についてお話します。



おばあちゃんとは私のメキシコ人彼氏である王子のココヤおばあちゃんのこと。

4年以上付き合ってる王子の家族には本当にお世話になっている。

私が一年に一度、遠距離の王子に会いにメキシコ訪問する度に(いわゆる七夕訪問笑)、お家に温かく迎え入れてくれ、とてもよくしてもらっている(嬉涙)。

特にココヤおばあちゃんとは、一緒に料理したり、食事に出かけたり、2人で買い物したりと、これまでの七夕訪問でとても仲良くなった。


私のメキシコ留学が決まった時、おばあちゃんからすぐに連絡が入り、「あゆ、私の家に住んでいいから!」とホストファミリーのオファーをしてくれ、私は本当にありがたいことにココヤおばあちゃん宅にお世話になることになった。

ココヤおばあちゃんは例えて言うならば、大阪のおばちゃんの500倍くらい強烈。王子家族全員が口を揃えて
「ココヤはロカ(クレイジー)だ!」と言うほど。
(ココヤおばあちゃんネタは大量にあるのでまた紹介します)



メキシコに渡航して以降、毎日のように王子の友達のパーティーに行ったり、王子家族の親戚の集いに行ったりと、スペイン語漬けの日々、そして昼から夜まで正直まだそこまで親しくない人とのパーティー三昧に疲れ始めていた。


ある日、留学先の大学で出会い仲良くなった留学生女子数人に夕食に誘われた。スペイン語よりも心地よく話せる英語で、留学生という共通の話題で、心から一緒にいたいと互いに思える人たちと会えることが本当に楽しみだった。


大学から帰宅後、すぐにココヤおばあちゃんに出かけたい旨を伝えると、

「王子の許可は取ったの?」(←ジェネレーションギャップ苦笑)

「行くなら王子と一緒に行きなさい」(←メキシコでは彼氏/彼女は常に同伴)

と言われたので、しぶしぶその場で王子に連絡。

王子は、大学から帰宅次第私と一緒に留学生の夕食に行くと言うのでひとまず安心。


数時間後、王子の弟から近所で開かれている王子の友達のパーティーに誘われ、一瞬迷ったが、王子が帰ってくるまでいればいいと言われ、近所のパーティーへ。


30分もしたら王子が帰宅、パーティーに現れたのでウキウキしながら

「それじゃあ夕食行こうか!」と言うと、

「あー、明日大学あるし、行かないわ」

え、、

数時間前行く言うたやん。💢



仕方ないのでUber(タクシーアプリ)頼んで一人で行くことに。


王子は明日大学ないからと断ってきたのにも関わらず、そのままパーティーに残り友達とワイワイ。((−_−#))


家に帰りココヤおばあちゃんに王子が行かないことを説明し、Uber頼んで行くね!と伝えると、

「あゆにはUber絶対使わせない。絶対許さない。」

おええええええええええええええええええええ!?(泣)

「夜にUber使うのは危ないから、そのまま誘拐されるから。」

「Uberだけじゃなくて、タクシーもバスもメトロも使わせない」


( ;  ; )泣



王子が今この瞬間友達と楽しんでるように、私もただ自分の友達と会いたいだけなのに、、、

王子なんでパーティーいるのにドタキャンするの、、、

私これから出かけたい時は毎回、毎回王子に頼まなアカンの、、?

私の行動相当制限かかる留学生活になるの、、、?


そんなことを考えたら、ボロボロと涙が出てきた。


おばあちゃんになぜ泣いているのか聞かれたので正直に答えた。

ー毎回私が出かけたい時、王子や王子ファミリーに送迎を頼むのは申し訳ないので、自分でUberを頼みたいこと

ー王子にドタキャンされショックだったこと

ー友達との時間が必要だったこと


王子がドタキャンしたことに対して、私が腹を立ていることにおばあちゃんから叱られた。

人はその時その時に気分が変わるので、それに対して怒るのはおかしいと。


相手は王子のおばあちゃんだ。

アウェーなのは仕方ない、、、

この精神状態でスペイン語でコミュニケーションとるのは相当きつかった。


そこからココヤおばあちゃんから一時間以上の説教


「あゆは女性で、女の子で、若くて、学生で、外国人で、日本人なの。

一人で公共交通機関を使わせる訳には行かないの。」


夜11時。

もう友達との待ち合わせ時間はとっくのとうに過ぎている。

友達には行けなくなったことを謝り、ベッドに横になる。


女友達との夜にウキウキしていたはずが、金曜の夜、部屋で一人。

ドタキャンからのUber利用禁止令でウキウキの夜は消えていった。



Uberを禁止したおばあちゃんにではなく、おばあちゃんにUberを禁止せざるを得ない状況を作ったメキシコ社会に怒りを覚えた。

王子や王子の弟、王子の男のいとこはUberを好きな時間に好きなように使う。

でも、私の場合、まず「女性だから」行動に制限がかかる。

おばあちゃんが私のUber利用を禁止するほど、

メキシコでは、「女性でいること」がそれほど危ないということだ。


「女の子だから仕方ない」


当たり前に聞こえるが、当たり前ではない。当たり前にしてはいけない。

そんな言葉で終わらせるような、簡単な話ではない。


何がなんだかわからず、とにかくショックで悲しくて泣いていた。



王子の部屋に泣きながらいき、おばあちゃんとの会話について話し、王子に対して思ったことも全て吐き出した。

王子は謝り、泣いている私を一晩中、朝まで抱きしめてくれた。




次の日、王子母にUberについてどう思うか聞いてみた。

「あゆの好きなようにUber使いなよ。Uberに乗ってる間はライブロケーションを私か王子に共有さえすれば、おばあちゃんに言わずに使っていいから」



結局、その後王子ファミリーとの話し合いで私のウーバー利用禁止令は夜限定になった。つまり、昼はよし。夜はなしだ。


夜出かけたい時は、王子ファミリーに頼むことになった。

”私は王子ファミリーの娘でも孫でもない、毎回私の都合で送迎をお願いするのは申し訳ない”

と言う気持ちを伝えると

「あゆは私の娘で孫なのよ、あゆはすでに家族なのよ」

とココヤおばあちゃんがハグしてくれた。



確かに、あの日の夜は留学始まってすぐのストレスで自分に余裕がなかった。

そして彼氏の家族と住むと言うプレッシャーもあり、神経をすり減らして気をつかっていた。

彼らが私を家族として受け入れてくれるのであれば、私も彼らを家族として受け入れていいんだ。もちろん感謝の気持ちは忘れずに。



後から大学のジェンダーの授業で、メキシコ国内の女性への卑劣な暴力、誘拐、レイプ、殺人など深刻な社会問題があることを学んだ。

もともとメキシコの治安についてはある程度わきまえていたが、実際に個々の事件について学ぶと、背筋が凍りつくほど恐ろしい。

メキシコにおけるフェミサイド(女性であることを理由にした殺人)は2015年から増加傾向にあり、2021年には34,000人以上の女性が殺害されている(過去最高)。


改めて、自分が王子家族にどれだけ愛され、守られているのかを感じ、

少しずつ変化はあるものの、この世界で「女性として生きる」とはどういうことなのかを考えさせられる出来事だった。




今日も強く、堂々と、

たくさんの愛をもって生きていきたい。





ここまでながーーーーい文章読んで頂きありがとうございます!


またね:)

Un beijo 💋

Un beso💋




















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?