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ヴィーガンとベジタリアンの違いとは?Vegan検定講師が簡単に解説

土井あゆみです。
ヴィーガン・ベジタリアンは、近年大きな注目を浴びています。
しかし、まだまだ「よくわからない」と思っている方が多いと感じています。
最近は飲食店でのヴィーガンメニュー採用や、スーパーやコンビニでもヴィーガン食品の取り扱いが増えてきており、身近になりつつあるといえます。

皆さんは、ヴィーガンとベジタリアンの違いはご存知ですか?
講師としても伝えているテーマで、これからの時代、知っておくべき内容のひとつだと感じています。
まずヴィーガン・ベジタリアンについて知ることで、さまざまな食生活の多様性に配慮できるようになり、みんなが心地良い社会の一助になっていくと考えています。

ヴィーガン・ベジタリアンのマーケットは大きく拡大している

農業分野のIoT企業である英Proagrica社の調査では、イギリス人の18%がコロナ禍でベジタリアン(ヴィーガンを含む)の食事を初めて食べたそうです。コロナ禍により健康意識が高まり、肉食から菜食へという大きな流れができているようです。

2019年の植物性代替食品(大豆ミートに限らず、より広くヴィーガン向け食品を捉え、豆乳やアーモンドミルクなども含まれる)の国内市場規模は、2019年度の178億円から2020年度(予想)は246億円となり、1年で4割も増加しています。
2010年度はわずか48億円市場だったので、10年で5倍に急拡大していることになります!(TPCマーケティングリサーチ調べ)
業界専門紙の日本食糧新聞では、健康志向から購入する30~40代女性を中心に、ダイエットや健康意識の高まりにより肉食から植物性タンパク質への切り換えが中高年に拡大していくとされています。

日本人はもともとベジタリアンに近い食生活をしてきました。
雑穀や米を主食とし、新鮮な野菜を食べ、魚介類だけは食べるが畜肉は食べないといったライフスタイルだったそうです。これはベジタリアンのなかに分類されるペスコベジタリアンに当てはまります。

コロナで健康意識が高まったことも相まって、今後広まっていく可能性が高いと考えています。

ヴィーガン・ベジタリアンの成り立ち

誤解されがちですが、ベジタリアンのベジとはvegetableではなく、ラテン語のvegetus(ベジェトゥス)が語源で、「健全な」「新鮮な」「活力のある」という意味です。
今から170年前の1847年に発足した英国ベジタリアン協会で初めて使われた言葉だそうです。
一方、ヴィーガンという言葉は、1944年イギリスでヴィーガン協会(The Vegan Society)が設立された際に命名されたとされています。

菜食主義は、19世紀の英国マンチェスターでのベジタリアン運動から広まりました。 もともとは、宗教や命の尊厳などの観点に由来していたものです。 近年は、健康志向の高まりや、食肉価格の高騰、環境保護の観点など、さまざまな背景によって、菜食主義者の種類が多様化しています。
また、ヴィーガンになる理由は人によってさまざまですが、主に以下の3つが挙げられます。

動物のため:

ヴィーガンという言葉の誕生の理由であり、その定義に「動物を搾取しないこと」とある通り、動物の権利保護が目的。そういった道徳的観点に加えて、「殺生をしない」という宗教の理由からヴィーガンになる人もいる。

環境問題の対策:

肉を生産する畜産の過程で、地球温暖化に影響する温室効果ガスが多量に排出されることや(※2)、魚の獲りすぎの影響を心配するといった環境保護が目的です。
特に畜産業は、一年間に7.1ギガトン(CO2換算値)の温室効果ガスを排出しており、人間による総排出量の14.5%を占めている(2013年データ)。

健康上の理由:

WHOによると、動物性食品を食べれば食べるほど、がんや心臓病のリスクが高まることが明らかになっており、特にベーコンやソーセージなどの加工肉はそのリスクを高めるとされています。
そのため、健康的な生活を送るためにヴィーガンの食事を選ぶ人もいるようです。
参考:https://vegewel.com/ja/style/vegan-vegetarian


ヴィーガン・ベジタリアンの種類とは

ベジタリアンと一口にいっても沢山のタイプに分けられます。

ヴィーガン(植物性食品のみを食べる)
ラクト・ベジタリアン(植物性食品と乳製品は食べる)
ラクト・オボ・ベジタリアン(植物性食品と乳製品、卵は食べる)
ペスコ・ベジタリアン(植物性食品と魚、卵、乳製品は食べる)

上記の他にも多くのカテゴリーに分類されています。
ベジタリアンとは様々なタイプの菜食主義者の総称ですが、ヴィーガンは卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしない「完全菜食主義者」のことです。
ヴィーガンは卵・乳製品・はちみつも口にしません。

さらに、食だけに限定するのではなく、身の回りのものからできるだけ動物由来のものを避けることで動物の命を尊重する「エシカル・ヴィーガン」の人たちもいます。
最近は週末だけ、家で食べるときだけ、などライトに取り入れる人も増えており、フレキシタリアンが増えているように思います。
フレキシタリアンとは、「ゆるベジタリアン」とも呼ばれ、菜食主義に転向するための一歩目として挑戦しやすかったり、宗教的ではなく健康的な観点から野菜中心の生活にしようとしたりする人たちに手軽に取り入れられている食習慣です。また、環境への配慮から「フレキシタリアン」という食事の仕方を始める人もいます。

ヴィーガンの人もノンヴィーガンの人も心地よく過ごせる世界へ

私はもともとアレルギー体質であったり、株式会社GIVERの代表として、日本ヴィーガン協会理事としてヴィーガン関連のお仕事をしています。

私個人としては、8割くらいヴィーガン、残りの2割は、日本人の古くからの食文化でもある環境に配慮された卵とお魚はときどき頂きます。

ヴィーガンにはベジループという考え方があります。
美容や健康・環境・動物愛護などさまざまな理由からヴィーガンを始めて、結果的に環境も自分自身もそれを取り巻く全てのことがいい方向に進んでいくというものです。
そういったライフスタイル、かっこいいですよね。

だからこそ、「エシカル」「サスティナブル」「ヴィーガン」をテーマとするstyle tableの価値観に共感し、style table 吉祥寺パルコ店をオープンしました。
ヴィーガンの人もノンヴィーガンの人もお互いを知って尊重しあえるようになることを願っております。

style table 吉祥寺パルコ店
https://www.instagram.com/styletable_kichijoji/

Vegan検定
https://vegelifestylist.com/

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