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【名画をプロップスタイリングしてみる Vol.3】マリー・ローランサン「スペインの踊り子たち」

今日の1枚はマリー・ローランサン「スペインの踊り子たち」


マリー・ローランサンってご存知ですか?この画風、一目見たらもう忘れられないほど儚げで可憐ですよね。うっとり。


ピカソやジョルジュ・ブラックなどと同時代にパリで活躍されたエコール・ド・パリを代表する女性画家です。


マリーがこの画風にたどり着いたのは30代後半。詩人アポリネールとの大恋愛(この話めちゃくちゃぐっときます)やドイツ人男爵との結婚離婚、第一次世界大戦などを経て、パリでマリーの版画を家に飾るのが流行りになるほど、一躍有名画家になります。


この「スペインの踊り子たち」、先日横浜美術館で開催されてた「オランジュリー 美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展に来ていましたが、わたしこの絵たちの前から離れることができず、しばらく絵の前にあるソファーで読書はじめてしまうぐらいにこのまま永遠にマリーの絵に囲まれていたい…という気持ちになりました。


ひとえにパステルカラーと言っても、絶妙なピンクと水色なのわかりますか?この色ほんとに絶妙…。甘すぎない、けれども可憐で少女たちの魅力が溢れんばかりに表現されています。


スモーキーなグレーによって、霧の向こうにある夢みたいな世界に招かれて(蝶々の道案内人)ふわふわした気持ちになるし、リボンや瞳に使われる「黒」が凛とした力強さと品を醸し出していてこれがなんとも美しい。


マリーは画面を引き締めるアクセントというよりは、パステルカラーをより引き立てる色として黒を使ってたそうです。なるほど。


ちなみにこの絵にも馬と犬が描かれていますが、マリーの絵にはよく登場するモチーフです。でも馬を描くときにも飼っていた犬を見ながら描いていたそうで、馬の顔がどこか犬っぽいそうです(笑)かわいいね(笑)


この時代に少女らしいパステルの道を生涯極め続けたマリーって個人的にめちゃくちゃかっこいいなって思ってて、周り男性画家ばっかりだったろうし、自分も強い絵を描いて張り合わなきゃ…ってなりそうなところをこの路線で自分らしい絵を描き続けたって、なんか色々考えちゃいます…。


お母さんの扇やレース、絹糸、糸巻など「きれいなもの」が幼い頃から好きだったそうで、好きなもの一生好きでいいよって言ってくれてるみたいで、マリーのこと知れば知るほど好きになる…。

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