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ブランニューオペレッタ『Cape jasmine』

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine』
日本青年館ホール


ねぇ!ねもちゃん!最高やったんやけど!!!!!久しぶりに生の言葉、音楽、踊りと生きた芸術が五感を通して身体中に沁み渡っていく感覚がたまんなくて、どうしよう、とっっっっても幸せです!!今も心が芯からふるえてる。


春頃、ねもちゃんから今年の秋に青年館で演劇復帰公演をするという話を聞いた時、このコロナの間にあったいろんな出来事によって溜まりに溜まった想いも吐露してくれて、今までの演劇人生の中でもずっと思ってきただろう演劇の未来についても、休んでいる間により深く対峙したんやろうなというのががわかるほどの熱量で話してくれて、きっとその想いが復帰公演で激しくスパークするんやろうなぁとずっと楽しみにしていました。


それから初夏あたりにむっちゃ長い文章でポスターのアートディレクションを私にしてほしいと声をかけてくれて(そういうところほんと好き笑)、この復帰公演の構想イメージもうかがったのですが、その内容は春に想像してた以上で、これは私も気合いれて、ねもちゃんの力になれるようにがんばらなぁ!と真摯に取り組ませてもらいました。


今日、公演を見て、そんなねもちゃんが伝えたかった溢れんばかりのメッセージが散りばめられていた中で、最後の演出に大感激してしまいました。

もう少しの時間だけ、今この劇場にいる時間を味わおうという粋な計らい。何か会話がはじまるのかと思いきや、ねもちゃんと横山さんが静かにより添いながらプロジェクターに映るエンドロールを全員でただ眺めるという数分間。私の名前も載せてくれたはりました。

スタッフの名前ってどうでもいい人にとってはどうでもよいのだけど、1つのものづくりにはとてもたくさんの人が関わっていて、誰1人として無駄な人はいません。その1人1人への敬意とものづくりの尊さを、きっとねもちゃんはお客さんにも知ってもらえたらと思ってくれたのだと思う。とても、とても大切なことだと思うし、とてもとてもありがたいなと思いました。

お客さんに対しても、我々スタッフに対しても全力の愛をもって演劇の素晴らしさを届けてくれる根本宗子。私はこの公演を絶対に忘れないです。ありがとうねもちゃん…!!涙



さて、いいところがいっぱいあるのでここからは気楽に感想を書いていこうと思うのですが、まずキャストの皆さんについて…!

俳優って役になりきるのがお仕事なので、主役かそうでないかでも自分の主張の強弱を調整することができると思うのですが、今回出演されているみなさんは全員が個としてステージに立っている方たちだからなのか、いい意味でオーラや魅力が全然隠せてなくて主張が強くて、バチボコに強強エネルギーの塊同士がぶつかり合ってるのがたまらなくおもしろかったです(笑)

なのでみなさん自分らしく伸び伸び演じられてて、なんてチャーミングな方たちなんだとまた新たな魅力に気づけたのですが、その中でも、ももちゃんは漫画から出てきたような方ですね。動きの1つ1つのコミカルさとコロコロ変わる表情に持って生まれた表現のセンスを感じずにはいられない&発声の最強さよ。かなりファンになりました…!!ももちゃんこの感想見てますか!好きです!(職権濫用)


rikoちゃんのダンスは毎度、陰と日向を行き来するのが本当に上手…♡透過100%の時と40%の時があって、40%の時も0%でいいわけじゃなくてその少しの存在感があることでねもちゃん特有の多重レイヤーで世界が構築されてる演出に一役かっていると思うのですが、今回も誰とも目を合わせない中で進んでいく中、最後は横山さんと目が合うことでそこでやっと存在が現出するのがとても美しかったです。





そしてなんと言ってもそんなキャストの際立ったパーソナリティを演出に生かしながら話が進んでいくというねもちゃんの手腕よ。うますぎて脱帽。天才の書く脚本やと思いました。うますぎてひっくり返りました。

しかも、“あなたはこういう性格だもんね!”みたいなのも事実とそうでないことを折り混ぜてあるので押し付けがましくなくて、みんなが割と素の状態でうるさいから(失礼)演劇のイメージにあるわざとらしい大袈裟な演技みたいなところからとも一線を画していて、それでいて話が巧妙に進むのでこれは現実ではなくあくまでも虚構であるというところもギリギリのところで維持できてて、だからこそ現実を忘れて異世界に没入できるという演劇の醍醐味もあり、信じられへんことが起きている…と思いました。

「新しい演劇の見せ方ができれば」、「演劇にあまり興味のない人にもとっつきやすいものにできれば」っていうねもちゃんが願っていたことがほんまにちゃんと形になってて凄すぎてびっくりしました!これはねもちゃんにしかできないと思う!匠の技です!




また、歌が、生の演奏が、本当に本当に本当に素晴らしかったです!!!!!!!涙

久しくライブに行けていなかったので、生の音楽を浴びれるというだけでもあまりにも尊いのに、オペレッタという思い切った切り口にした今回のねもちゃん作品と小春さんの音楽の融合性が今まで以上に高くて、根本×小春のタッグの新境地を見たように思います。

他者と一緒にものを作り上げていくってどちらともが相手を「許容する」ということができないとうまくいかないのですが、2人とも意志のしっかりした人たちなのに許しあえて向上していける関係なの、本当にクリエイションに対してのベクトルがおんなじなんやろなぁと。2人が出逢えてほんまによかったなぁありがとうなぁと思いました(だれ)

そして小春さんのアコーディオン、生で聞くと驚きの音色ですね。。。ももちゃんの歌の時のアコーディオン至極でした。カンカンバルカンの皆さんの音色もすばらしく、最後エンドロールと共に流れる曲なんかはあまりにも美しくて強くてわたしはもうこの曲のためだけにお金を払いたい!!!と思いました。


そしてあっこゴリラさんのラップに大!感!激!至高すぎてかなり上がりました!彼女のキャラクターだからこそ書けるリリックに嘘がなく、ダイレクトにぐさぐさと心にうったえかけてきたのですが、これきっと台詞だと説教みたいになってしまって横山さんの素直な言葉は引き出せなかったと思うのですが、ラップで「煽る」ことでそれを可能にしてしまったところも演出の妙。素晴らしい。あっこさんのラップとねもちゃんの演劇めちゃくちゃ相性がいいのでは!と思いました。ここで横山さんの感情が発露する際の演技もめちゃくちゃ素晴らしくて、がんばって横山さん!!!と涙ぐんでしまいました(おかん)



というわけで残念ながら本日で終演してしまいましたが、この2日間だったからこそ集まれたキャストだったと思いますし、伝説の3公演だったと思います!とてもとても元気が出ました!ほくほくです!!!!



みなさんお疲れ様でした♡



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