祖母への手紙(7)

こんばんは。

仏間に布団を敷いて準備を整え、しばらくすると
葬儀社の方と両親、叔母たちが祖母とともに
自宅に帰ってきました。
玄関までの階段を数人で祖母を持ち上げて入り、
葬儀社の方が
『おかえりなさい』と
祖母に声を掛けてくれました。

宗派により異なる点は多いかと思います。
葬儀社の方から、綿棒のようなものにお水を浸けて、
『唇に当ててあげてください』とご説明があり
父から順番に行いました。自分の番が来た時、
自然と涙が流れ、亡くなった実感が出始め、
悲しみが込み上げてきました。

亡くなったのは夏でしたので、布団の中には
腐敗を防ぐ為のドライアイスが置かれていました。
ですが葬儀社の方が
『まだ全身が冷えている訳じゃなく、
温もりが残っているので触れてあげてください』と
教えてくださいました。
みんなで鎖骨の辺りに触れると確かに温かく、
祖母の温もりを最後に感じられた瞬間でした。

その後は身内が入れ替わり立ち替わりで
バタバタと時間が過ぎていたので、
あまり記憶がありません。
翌朝自分が起きた後、もう一度温もりを
確認したような気もします。

両親も葬儀に向けてバタバタしていましたし、
朝には枕経をしていただき、斎場への移動もあり
お通夜に向けて自分もバタバタしていました。

祖母の葬儀は両親が家族葬を選びました。
身内だけでしたが、振り返ると
それで良かったなと思います。

納棺前のお化粧の際には、ふとしたことから
笑い話になり、叔母にも笑顔が戻ったので安心しました。
葬儀前に明るく過ごせたひと時でした。

続きはまた日を改めて。
明日も感謝の心を忘れずに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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