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『自由へのエニアグラム』の手引き ①


訳書『自由へのエニアグラム』(イーライ・ジャクソンベア著)が2022年6月に出版されました。覚醒ツールとしてのエニアグラムの本です。

400ページ近くあるボリューミーな本なんですが、
ちょっと思うところがあって、何回かに渡って手引きを書くことにしました。

手引きなんか必要なの?

わたし自身は「本は読者が好きなように読むもの」という思いが強いほうなんです。
でもね、この本については、その思いをちょっと緩めました。

それにはこんな理由があるのです。

エニアグラムが初めての方からは「夜、遅くから読み始めたのに、どんどん引き込まれた!」という声もあれば、「エニアグラムの用語が途中でわかんなくなっちゃって、なかなか先に進まない~(涙)」という声もありました。

わたしが十数年前に初めて原書を読んだときは、引き込まれてぐいぐい読みました。でも、たしかに、エッセンスとか聖なる理念とか聖なる道などのエニアグラム用語はよくわからなくって、わからない所はスルーしつつゴリゴリ読んだ記憶があります。なので、用語で引っかかっちゃう人がいるのもわかります。

それから、もう一つ。本書の翻訳をしているときに、原書の編集と校閲のお手伝いをすることになったんです。その視点で読んでみたときに、この説明は前に入れていたほうがいいなとか、気付くこともありまして、それをちょっと共有できたらなと思ったんです。

ちなみに、校閲した部分はすでに今回の日本語版に反映してあります。つまり、現時点では日本語版が最新版だからね!!!!!(ちょっとドヤってます)

もし、英語版と一字一句比べて、違ったところを発見したとしても、それはたぶん、校閲して反映した個所の可能性が高いです。
(もちろん、誤訳かもしれないけど…)

手引きの内容(予定だけれど)

今のところ、こんな内容で書く予定。
また、リクエストやら、質問があったら、追加しますね。

  1.  読む順番と自分のポイントの見つけ方 

  2.  ポイント認識システムサブタイプ

  3.  各ポイントの最初のページの表について

  4.  エッセンス聖なる理念聖なる道

  5.  囚われ理想化

  6.  内なる二項対立

では、さっそく 1 から行きますね!

読む順番

いや、これね、24ページに「まず本書の初めから終わりまで目を通してください」って書いてあるんだけれど、24ページに書いてあっても、手遅れだよね(笑)。目立ちにくいし。

たくさん売れて改訂できるチャンスがあったら、前書きを新設して、この文章をそこにぶち込みたい!

自分のポイント(タイプ)をすでに知っている(と思っている)人は、そこから読みたくなっちゃいますよね。しょうがないと思うわ。わたしだって、同じ立場だったら、きっとそうするだろうし…

そうなんですが、24~55ページは、自分のポイントを読む前に読んでおいたほうが、絶対にいいですよ~!

24~55ページに「あなたの本性・わたしって本当はなんなのか」について書いてあります。

61-299ページの各ポイントの説明というのは、あなたがどんな人なのかを説明しているのではなくて、あなたがどんな人だと勘違いしているのか、あるいは、あなたはどうやって本来の輝きを濁らせているかの説明です。

でも、わたしたちって、だいたい、勘違いのほうを自分だと思っているし、それが自分らしさだと確かな実感を持っているんです。

で、自分らしいことをあれこれと書いてあるポイントの説明を読むと
あるあるーっ!って赤べこのようにうなずく。

「あるあるー!だよねー!!!」で、終わってしまっては勘違いが強化されちゃうだけだからなぁ。

マハルシ➡パパジ➡イーライと受け継がれてきた静寂の伝達というのがわかりにくくなるかもしれません。

24~55ページを読んでおくと、各ポイントの説明がよりクリアに理解できますよ。

しかも、各ポイントの解説は、おもにどう勘違いしているか、なぜ勘違いするのか、どうやって勘違いを続けているのか、勘違いすることでどんなマイナスがあるのかについて説明してあります。

あなたの強みとか伸ばすべきところとか、そんなことは基本的に書いてないんです。勘違いだから、勘違いを助長してもねぇ。

それを知らずに、ポイントの説明を読んだら、
もしかしたら、がっかりしてしまう人もいるかもしれない。

そうした意味でも、24ページ~55ページを読んでおいて
本当の自分ってなんなのかについて、ざっくり掴んでおくと、
がっかりさせる本どころか、あなたの中にあるめっちゃ素敵な可能性を開く本だって感じ取れると思います。

勘違いをやめる姿勢・方向性、勘違いをやめたらどんな感じなのかは、300ページあたりから解説が始まります。

なんとかしてたどり着いてほしい!

こう書くと61-299ページって読むのがつらそうですが、ぜんぜん、そんなことなかったですよ。

わたしは、この本を初めて読んだとき、すでにゲシュタルト・セラピーを数年にわたって学び、トレーニングも受けていたので、深層心理についてはだいぶ理解しているつもりだったんですが、そのときの学びよりもより奥にある深層心理のメカニズムを知り、唸りました!
本書を読み進めるのは、すごくエキサイティングな体験でした。

自分のポイントの見つけ方

これ、一番、気になるところですよね。

エニアグラムには1~9の九つのポイントがあって、それどれかが自分の定住地(一番根深いエゴのメカニズム)です。

定住地は一つで、生まれたときから死ぬまで変わりません。

本のどこを探しても、よくある、「はい/いいえ」とか「よくあてはまる、あてはまる、どちらでもない、あまりあてはまらない、あてはまらない(書くの疲れたw)」式の診断ページは出てきません。

落丁じゃないです。

あの手のテストって、参考程度にしかならないのよ。
診断のせいで、違うポイントが自分だと思ってしまうことも少なくないですし。

なぜなら、定住地の、つまり一番根深いエゴは、
自分の正体を見破られたくないんです。

エニアグラムのポイントが示すものは、自分が何者だと勘違いしているかでしょ。勘違いし続ける最良の方法は、無意識に押し込んでおくことです。
存在に気づかれないようにしているんです。

だから、まさかそれが自分のポイントだと思わないようなポイントが
実は定住ポイントだということもあります。

自分のポイントをどうやって見つけるかというと、
えーっと、えーっと、ごめんなさい、
地道に一つひとつ解説を読んでください。


どれも当てはまる気がするし、どれもそんな気がしない、という人も珍しくありません。

どれも当てはまる気がするというのは、当然なんです。
誰もが、いろんなポイントのやり方を利用しますから。

わたしは初めて読んだときは、
順番通り 9、8、1、2、3、4、6、7、5の順番で読みました。

9 ➡ そうかも
8 ➡ これは違うわ。
1 ➡ 9じゃなくて、たぶん、わたし1だわ。
2 ➡ 全然違う。
3 ➡ まあ、ちょっとだけそうゆうところもあるけれど、違うなぁ。
4 ➡ ああ、そうそう、これこれ!これです!1じゃなくて4!の自己保存か社会!
6 ➡ 間違いました。4じゃなかった。わたしの人生が書いてあるレベル。怖い―。6で確定。
7 ➡ まったくとは言わないけど、まあ違います。
5 ➡ あれ、もしかして5?いや、でも、やっぱり6だわ。6で!

こうやって、一つひとつ読む行為自体が自分を深く知っていくことなんです。

わたしはポイント6ですが、「ポイント6はポイント4だと勘違いする人がものすごく多い」という記述がポイント6のところにありました(笑)

あと、わからないという戦略を使うポイントや、疑うのをやめられないポイント、それから自分のことを知ろうとすると頭が真っ白になる傾向のあるポイントなんかもあって、どれかわからないこと自体も、自分のポイントを決めるヒントになりますよ。

著者のイーライがやっているリーラ・スクール (スピリチュアルな目覚めとヒプノセラピー&エニアグラムのトレーニング)でも、診断テストはありません。講師に自分のポイントを聞いても「これです」と教えてくれることはありません。
その代わり、自分で発見できるような質問をされたり、ここを考察してみるといいよというヒントを教えてくれます。

それはなぜでしょうか?
はっきりとした言い方ではないけれど、本書の第一部を読むと
なぜなのか、なんとなく思い当たるんじゃないかなぁ。

あと、自分の定住ポイントを間違えて判断していたとしても、
それもまた、自分を深く知っていくプロセスの一つなんです。

本当です!

なので、安心して、これからなぁ、あれかもなぁと、自分を見つめるヒントにして読んでみるといいんじゃないかなぁ!

もちろん、

好きなように読んでほしいのは

大前提なんですよ。

自分のポイントの見つけ方のヒント

とはいえ、わかりやすいヒントになりそうなものがいくつかあります。

体形・顔つき
サブタイプ
内なる二項対立
会話スタイル
ポイントの移動と関係性
(P300-313)

あたりかなぁ。

イーライは、認識システムは遺伝的なもので決まると推測しています。

体形とか顔つきに認識システムが表れていることがあります。
もちろん100%ではないんですが、わかりやすいですよね。
(本文中に、どんな顔つきだったり体形なのか、書いてあります)

わたしも自分のポイントっぽい顔してます。

こう言ったとか、こんな行動をした、というのは表層部分で起きていることなので、そこらへんは、実はそれほど参考にならなかったりもします。

同じ行動でも、まったく違う欲望から起きていることってあるからね。
その行動の奥にある動機が認識システムによって違うんです。


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