kamemorinaoko アーユルヴェーダドクター

インド国立グジャラート・アーユルヴェーダ大学医師課程卒業(BAMS) アーユルヴェー…

kamemorinaoko アーユルヴェーダドクター

インド国立グジャラート・アーユルヴェーダ大学医師課程卒業(BAMS) アーユルヴェーダ外科修士課程卒業(M.S.Shalya)。 アーユルヴェーダの実践と古典を伝えるオンライン講座をしています。 https://ayurvedapradipika.com

最近の記事

アーユルヴェーダ留学〜大学生活・英語編〜

アーユルヴェーダ留学を考えている方に 実際の大学生活や奨学金について聞かれることがあるので、 今回は、大学での勉強についてお話ししたいと思います。 アーユルヴェーダ留学を考えている方が一番気にされる点は、 英語での授業に付いていけるかどうか。なのかなと思います。 私の場合は、留学する前にインド旅(6ヶ月)をしていたので、 旅に必要な英語はまあまあできたけど、 クラスについていける程の英語力は全く無かったです。 始めは、何のクラスをしているのかすら分からなかった。 優しい先

    • アーユルヴェーダ:ラクダあれこれ。

      インドで私が住んでいた町では、ラクダが町を闊歩していました。 そして私はお家の引っ越しを、ラクダに頼みました。 ラクダの後ろに引き車をつけて、それに冷蔵庫や机とか、家財を載っけて、運んでもらいました。もちろんラクダ使いのおじさんがラクダを誘導してくれます。私は引き車の上にちょこんと座って、私までラクダに運んでもらいました。ラクダに引っ張ってもらいながら眺める街並みはラクダペースでとても穏やかに見えました。周りの車やバイクのクラクションは相変わらずのうるささだったけど。

      • アーユルヴェーダ:催吐法と私(2)

        これは私の体験談ですので、 医師のいないところで一人でしないで下さいね。 前回(催吐法の前処置の話)の続きです。 1 催吐法(ワマナ)本番の日。 早朝に家を出て、クリニックに向かいました。 そこで最後のオイルマッサージと発汗をします。 1日の中でカファが増える時間。というのがあって、そのカファが増える早朝の間にワマナをします。大体6−10am。 私のワマナにはクリニックのマダム先生が付き添ってくれました。 一緒に成功祈願のお祈りマントラを唱えてから始めます。 一般的

        • 尊敬する先生たち。

          インドでいろんなアーユルヴェーダドクターたちに会いました。 まだ会ったことのない、すごいドクターもきっといるはずですが、 これまで私が出会った中でも、とても心に残っている先生たちの話。 1 南インドの有名な先生。 この先生は、自分の処方や薬の選び方をおおっ広げに教えてくれる先生。 多くの先生は、SNSなどで、自分はこの病気を治した。という紹介をするだけだったり、もしくは、自分の処方を誰かに教えるのにも、身近な人にしか話さなかったりします。 でも、この南インドの先生は、自身

        アーユルヴェーダ留学〜大学生活・英語編〜

          アーユルヴェーダ:催吐法と私(1)

          アーユルヴェーダの浄化法の中でも、 催吐法(ワマナ)は、できればやらずに生きていきたいと思っていました。 下剤や浣腸は抵抗がないけど、自ら吐く、という行為に抵抗感がありました。 でも、あるアーユルヴェーダの先生のところで、クリニックに通って勉強させてもらっていた時、 ここでなら、私もワマナやれるかもしれない、今しなかったら一生しないかもしれない、と思って、決意しました。ワマナすることを。 ワマナは主に体内の悪化したカファを外に出す浄化法です。 喘息持ちの人や皮膚病の人など

          アーユルヴェーダ:催吐法と私(1)

          アーユルヴェーダのジャスミン

          ジャスミンは、その良い香りによってピッタを鎮静させる。 『スシュルタサンヒター総論編46/286』ソケイ(Jasminum officinale) とマツリカ(Jasminum sambac)は、どちらもジャスミンの種類。 スシュルタは正確には『ソケイとマツリカは苦く、その良い香りによってピッタを鎮静させる』と言っています。 ソケイの花はアーユルヴェーダではよく傷の手当てに使われます。 Jātyādi taila はジャスミン(ソケイ)たちのオイルという意味で、このオイルは

          アーユルヴェーダのジャスミン

          アーユルヴェーダの薔薇

          薔薇(ローズ) Rosa centifolia サンスクリット名:śatapatrī, taruṇī 使用部分:花びら 味 (rasa) :苦味、辛味  効力 (vīrya) :冷性 消化後の味 (vipāka):辛味 性質 (guṇa):軽い ドーシャに与える影響:3ドーシャを減らす。 効能:hṛdya 心臓に良い。    grāhi  体内の水分を吸収する。    śukrala  生殖組織を増やす。    asrajit 血液組織の病気を鎮静させる。

          ギーのあれこれ 外用編

          ・口内炎(mukhapāka) ピッタドーシャ(火のエネルギー)と血液の悪化によって、口内に赤く焼けるような痛み、ちくちくする痛みを伴うでき物ができる。 口内炎は鋭さと熱性という性質を持つので、柔らかい性質、冷性、治癒作用のあるギーを塗ると良い。 ・小さな傷、かすり傷、出血を伴う怪我(vraṇa) 少量の出血がある場合は、ウコンの粉(止血、抗菌作用あり)を患部にかけて、止血させる。 患部の汚れはウコンの粉(抗菌)を煎じた液、もしくはトリファラがあればその煎じ液でよくきれ

          アーユルヴェーダ古典を読む理由。

          どうしてアーユルヴェーダでは古典が重要なのか。という質問を受けたことがあります。 そもそもチャラカたちの古典に書いてあることがどうして本当だと言い切れるのか、という質問。 チャラカではこう書いているから、スシュルタではこう言っているから。という絶対的な答えを伴う会話が当たり前のように繰り広げられている世界にいた身としては、ちょっとびっくりしましたが、アーユルヴェーダに馴染みがない人からすれば確かにそう思う気持ちも理解できると思いました。 1 私たちにとっての古典。アーユルヴ

          アーユルヴェーダ古典を読む理由。

          アーユルヴェーダという科学を通して喫む珈琲

          珈琲 Coffea arabica 『āyurveda vijnāna』 (Dr. Vinodlal Sen 1870)によりますと、 珈琲のサンスクリット名:mlecchaphalam 効能:カファを減らす    強さを与える    睡眠、眠気を減らす    snāyu (tendon, nerve) に強さを与える    息苦しさ、咳、熱、偏頭痛、だるさ、下痢を鎮静させる。 『nighaṇṭu ādarśa』(Bāpālāl G. Vaidya) によりますと、 珈

          アーユルヴェーダという科学を通して喫む珈琲

          スシュルタ・サンヒター総論編1/1ー3

          अथातो वेदोत्पत्तिमाध्यायं व्याख्यास्याम: ||1|| यथोवाच भगवान् धन्वन्तरि: ||2|| athāto vedotpattimādhyāyaṃ vyākhyāsyāmaḥ ||1|| yathovāca bhagavān dhanvantariḥ ||2|| athātaḥ {then and therefore そして} veda {ヴェーダ(アーユルヴェーダ)} utpattim {始まり} ād

          スシュルタ・サンヒター総論編1/1ー3

          スシュルタ・サンヒターのこと。

          サンヒターとは、詩や文を集めてアレンジしたもののこと。 スシュルタ・サンヒターはアーユルヴェーダの三大古典の一つです。 三大古典とは、 1 チャラカ・サンヒター  主に内科。作者アグニヴェーシャ。編集者チャラカ。 2 スシュルタ・サンヒター  主に外科。作者スシュルタ。編集者ナガルジュナ。 3 アシュタンガ・サングラハ / フリダヤ  チャラカサンヒターとスシュルタサンヒターをミックスして簡単にしたもの。作者はヴァーグバタ。  アーユルヴェーダの古典は全てサンスクリット

          スシュルタ・サンヒターのこと。

          アーユルヴェーダという科学を通して見る人間の体

          人間の体もまた空・風・火・水・地の5元素で構成されています。 アーユルヴェーダにおいては、体の基礎となるものがあり、 それはドーシャ(エネルギー)・ダートゥ(身体組織)・マラ(老廃物)です。 このドーシャ・ダートゥ・マラもまた、5元素によって構成されている、ということです。 ドーシャ(エネルギー)は3種類。3つとも人間の体に存在しています。 ワータドーシャ:空と風の元素が多い ピッタドーシャ:火の元素が多い カファドーシャ:水と地の元素が多い この3つのエネルギーがうまく

          アーユルヴェーダという科学を通して見る人間の体

          アーユルヴェーダという科学を通して見る世界2

           世界に存在するものたちは全て5元素が組み合わさって構成されており、それぞれ元素の配分の違いによって、異なる物質が構成されています。あるものは地の元素が多かったり、あるものは水の元素が多かったり、その微妙な配分の違いによって他とは違う個性を出しています。それは自然界にあるもの、動物、私たち人間の体についても同じことが言えます。一人ひとり違っていて、それが生まれ持った個性になります。  同時に、その配分は繊細に食べ物や時間などの影響を受けます。例えば、唐辛子などの火の元素が多

          アーユルヴェーダという科学を通して見る世界2

          アーユルヴェーダという科学を通して見る世界

           現代科学においては、いくつかの原子が強く結びついて分子をつくり、その分子が集まって物質ができます。例えば酸素はO2、酸素原子が2つ結びついて酸素分子になり、酸素分子が集まったものが気体の酸素になります。このように物質を構成する基本要素は原子であると考えられています。  一方、アーユルヴェーダという科学においては、この世界にあるもの全て、人間も含めて5元素で構成されていると考えられています。  5元素とは、空・風・火・水・地の元素です。原子のように元素もまた単体では目に見

          アーユルヴェーダという科学を通して見る世界

          アーユルヴェーダことはじめ。

           アーユルヴェーダはインド発祥の伝統医学として知られています。 しかし、アーユルヴェーダはただの医学ではないし、インド人だけのものでもありません。健康になる方法、病気を治す方法だけではなく、どのように生きるか、生きていく上でやっていいこと・やってはいけないこと、勉強の仕方、教え方、医者・先生・生徒としてのあるべき姿、人生の願いなど、生きることについての知識がアーユルヴェーダには詰まっています。どの時代、どの場所に生きようと、日々の生活の中にアーユルヴェーダの知識を取り入れてい

          アーユルヴェーダことはじめ。