見出し画像

51歳のうち27・28歳 修行編

私が転職した父の会社は、マンションの1Fの4部屋をすべて借りていました。
ベランダから他の部屋に行くシステムでした。
それぞれの部屋に均等に人がいて、
私は、とりあえず父の部屋の横に。

当時、父が創業した時からの役員さんが2名おりました。
後から聞いた話ですが、社員の皆に仲良くしてはダメと言っていたそうです。
生意気な娘がやってきたのだから、そう言われてもおかしくないし、
デザインの勉強をしてきたわけでもないのだからね。

父の会社に入ると決めたら、即行動!
パソコンが得意だったので、転職を決めた同時に毎週DTPのスクールにてAdobeを取得、デザインできなくてもDTPはできるんです、という設定までもっていっていました。
ちなみにデザインは学んでいませんが、美術と数学の成績はずっと10でした。

まずは、皆の動きをじっと観察しました。
どんな風に仕事が流れていて、
クライアントさんはどんな感じなのか、
それぞれの人がどんな人なのか。
人間ウォッチングは趣味なので、1日アッという間に過ぎました。

私が入社する少し前にパソコンを2台、プリンタを入れていました。
アナログからデジタルへ変わる時期でした。
役員の1人が知人に発注したものでしたが、
金額を見て、驚きました!
「知らない」ことが一番怖いとはこのことです。
私がおかしいと言ったところで、もう納品され使っているのですから、
どうにもできません。
サポートもついてるからと役員さんが言っていましたが、
プリンタの調子が悪くその会社に連絡をしても繋がらない。
父がその役員に騙されたのは、言うまでもありません。

済んでしまったことは、仕方がないのでその後、パソコンの導入に関して私はすべて担当しました。
役員さんが警戒していたのは、このことが予想出来ていたのでしょう。

私の前職でお世話になった方に父を合わせた時に
「こんなに欲がない社長さん、会ったことない」と言われました。
ある意味、用心深いのですが、一度信用したら…というわけです。

その役員さんのエピソードは数えられないほどありますが、
数年前、病気で亡くなりました。
私の次男が特技は「誰とでも仲良くなれること」と言っていますが、
私もそんな一面持っているかもしれません。
最後に会った時は、仲良く一緒に虹を見たりしました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?