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詩『気丈の貴婦人』〜細川ガラシャ〜

わたくしの名は細川玉
明智光秀と妻・煕子の娘である

忠興様と出会った
忠興様手作りのカルタを頂いた
この世に愛はある
私と忠興様は幸せな日々を暮らした
けれど、そう長くは続かなかった

父上が織田信長を討った
わたくしは一生謀反人の娘として生きなければならないの?
私は侍女イトと味土野に幽閉された
父上母上ともにこの世を去った
もう、私には生きる意味などない
イトが私を祈り止める
希望などない
この世に神などいない
愛なんてこの世にない

忠興様からキリシタンについて教わった
もし神がこの世にいるなら
私の罪が許されるのなら

私はイトと教会に行った
そこには母上と父上がいた
もうこの世に未練はない
私は母上父上のところに参ります
母上が首を横に振る
神のもとで生きよと

私は洗礼を受ける
洗礼名はガラシャ「神の恩寵」

しかし、秀吉が許さなかった
忠興様も許しはしなかった
信仰を捨てよ?
信仰を捨てることは命を捨てること
忠興様に切られるなら本望
神の愛に変えても

秀吉にキリシタンであることを聞きつけて呼び出される
戦は嫌いだけれど、私は神の御加護を受け気丈に生きると決めた
秀吉に小刀を見せる
この身に指一本触れさせない

秀吉没後の天下の戦いに忠興様が行かれる
もっと一緒にいたかった
もっと幸せに暮らしたかった

石田三成軍が私を人質にとるつもり
忠興様のためなら
マリア(イト)たちを逃がす
もう完全に囲まれて、逃げられない
水鏡で身仕舞いを済ます
もう準備が整った
少斎殿に声をかける

ああこれで良かったんだ


ちりぬべき
時知りてこそ 世の中の
花も花なれ 人も人なれ
細川ガラシャ



あなたには憧れている人はいるだろうか
自分を持つということは自分のことだけを思っても生まれない
自我を失いかけているときは憧れている人をみよう
憧れの人が自分を奮い立たせてくれる
自分の背中を押してくれる

歴史は地球の欠片だ
そんなことを学ぶより
人の生き様を学ぶ方が楽しい

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#細川ガラシャ
#気丈
#憧れ
#人物伝

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