まに

【風雲ガチンコ文章指南録!?】『真に受ける力』②~リカちゃんのセンスと作文力の巻~

2007/10/8, Mon 14:55

連休あけにメールが届いた。
連休中、西山リカさんが頑張って書き上げたらしい想定課題作文と思しきものがS子さんから転送されてきた。

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きしみ様

お忙しい中すみません。
西山リカちゃんから、メール来ましたので転送いたします。


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~サティ グノシエンヌ第1番を聞いて~

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雲のかかった月だけが周囲を照らしている。
見渡す限り背の高い深緑の大木しか見えない。
時が過ぎているのを感じさせてくれるのは、木々の間を通る川に浮かぶ木の舟だけだ。
ゆっくりだが一定の流れで確実に前進している。
この舟は何のために進んでいるのだろう?
何かを運ぶ訳でも、目的地がある訳でもない。
舟はただ動かされている。
「誰もいないし、行き先も分からないのは初めての経験だ。」心の中がもやもやした不思議な感覚になった。
「主人は、私がいなくて困らないのかな。」私を川岸に半分あげただけでどこかへ行ってしまった。
水が前より冷たく感じられた。
周りの木々の深緑がよりいっそう濃く見える。
いずれ夜が明けて誰かが私を導いてくれるのだろうか。

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一つ書いてみました。
芸大の先生には、「あなたの文は情景描写しかできていないし、中身がない。自分はどうするか?と考えてみてください。
心理描写をしてください。」と言われています。

学校の音楽の先生には、「もっと文章で訴えかけてみたらどうかな?自分の思った気持ちをどんどん文章にしていけば、伝わると思うよ。」と言ってくれました。
私は自分の感じたイメージを思い浮かべながら、考えて(思いついた部分が多いかも知れません)、この文章にしています。
「あなたはどう思ったか?」という自分の気持ちをどう文章にいれたら良いのか分かりません。
あとは、文全体がすごくかたいと言われています。
私の性格のせいだと思うのですが、自分ではどういう風に文がかたいのかイマイチ分かっていません。
厳しい批評、宜しくお願いしますm(_^_)m

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なるほど、ある音楽を聴かせ、その子が「何をつかまえて」、「それをどう思い」「どんな言葉で表現するか」を見ているわけか、確かに舞台音響やるならそのセンスは大事だろうなと思った。

作文だけ見ると、浮かんだ情景を自分なりに言葉にして、雰囲気をなぞるだけで精一杯だったように見えなくもない。添削担当の教授からは「もっと自分を出せ」的な指摘も受けたようだが、彼女はおそらく、普段から「オレがオレが!」と自己主張するタイプではないのだろう。集団でいると、自然と自分を抑制してしまうような、どちらかと言えば奥ゆかしく、優しい子なのかもしれない。だが、フレーバーテキストとしては悪くはない気もする。確かにぎこちないが。

さてと。

私は西山さんがつかまえたであろう本質をどうやったら人に伝わるものにできるか、更に読み返しながら返事をしたため始めた。

つづく

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。