ディスクガイドと言えば音楽ジャンルや年代、アーティストごとに音楽ディスクをデータベース化し、編集者が簡単にコメントや批評を添えた書籍のことですが、このたび完全にニッチ層ド真ん中のディスクガイドが発売されました。『ゲーム音楽ディスクガイド』です。

古くは80年代から直近2019年4月までに発売されたゲームサントラを950枚も掲載した大興奮の内容で、レトロゲーアケゲー家庭用ギャルゲー音ゲーインディーズ配信限定アレンジサントラまで収録したヤバヤバのヤバ書籍です。えっ私のために出版されたのかな……？

私も以前ゲームサントラの記事を書いていたのですが、ここで紹介していたサントラもだいたい載っておりめちゃくちゃ信頼が置けます。1ページに4枚、特に注目したいサントラは半ページを使って紹介していて、文章も簡潔ながら作曲家にクローズアップした内容ですごくツボを押さえた感じで纏まっています。『チップチューンドロックマン』に半ページ使ってるので「分かってる～！！」って膝を叩いていました。

他にも仲間由紀恵黒歴史扱いのロックマンX4主題歌やメギド名曲コレクション（公式で無料配信中！）とか真・女神転生 LOW＆CHAOS DISC（史上最高のメガテンサウンドだ）、風の旅人（全人類プレイするべき）など。DOOMサントラの「文句なしに最強の一枚だ。」には共感しかない。他にも初音ミク project DIVAやUNDERTALE、当然ZUNTATAやなるけみちこ、古代祐三などゲーム音楽レジェンドも名盤を揃えている。索引を見ると澤野弘之や星野源、YMOの名前もあるぞ！めちゃくちゃカオスだ！読んでてチョー面白い！

ゲームのサントラって、レトロゲーやアケゲーは実機の音質をいかに再現するかという資料性が注目されるし、最近のゲームではファンアイテム扱いで音楽そのものについて語られる機会や場所はあまりないんですよね。そんな中でこの本はゲーム体験からひとまず距離を置いて、純粋に音楽としてゲーム音楽に注目したことが新しく（ゲーム音楽というジャンルが何十年も前から存在しているのにもかかわらず本格的なガイド本はほとんどなかった筈）、一つの語りの指標としてなりえるのが画期的。

まあ、そんなむつかしいこと考えずにページをめくってるだけでゲーマーなら見知ったゲームがどんどん飛び込んでくるのでそれだけでも面白い本なのでよかったらぜひ読んでみてください。

（終わりです）